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橋本孫造(はしもとまごぞう)(大正12.3.15生・北海道札幌市)

 

消防士として勤務の傍ら45歳から点訳を習得、30年余にわたり70タイトル、334冊、15万頁を超える点訳奉仕活動を実践して、今なお視覚障害者に点訳の手紙を送り続けるなど、障害者の福祉に寄与されている。

 

消防士として勤務の傍ら、人の役に立ちたいと45歳まで愛情銀行に登録し、母子寮の修理など大工仕事の奉仕活動を続けた。修理する家に行ってから直す箇所を聞いて寸法を測り、材料を買いに行くなど一日仕事になることもあった。

この間に、札幌市の点訳図書が不足している事を知り、また家でもいつでも出来る奉仕活動であるとして45歳から3年間、点字図書館の館長に点訳を習った。

 

48歳の時から、点訳活動を始めた。自分で自由にやりたいと点字グループには入らなかった。以来、文芸書、実用書など、数多くの書籍を点訳、製本して、札幌市の点字図書館に寄贈を続けた。ルバング島から生還した小野田寛郎氏の手記を訳したこともある。

昭和52年、54歳になり、点訳も5万頁を超えた。この頃から、視覚障害者が求める情報、もっと身近な興味ある文章を訳したいと考え、新聞、広報紙、機関紙など、要望に応じて小さな文章、コラムの点訳も行うようになった。

これまでの点訳頁数は15万頁を超えた。毎日少しずつでもと札幌、富良野、長野の視覚障害者に点訳の手紙を送り続けている。

 

点訳の最初に必ず「読んでくれてありがとうございます。気楽に少しでも読んで下さい。時節がらお体を大切に。」とお礼の言葉を打っている。

喜寿を迎えたが、年を取っても人の役に立つ活動は有る、一人でも喜んでくれればそれで良いと、無理をせず点訳活動を続けている。

(橋本和則推薦)

 

 

 

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