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ウォーカー氏(イギリス):

イギリスでも、そのような現象によって農業の衰退ということが起きた。そこで、農業界では地元の中でもっとつながりを強めようという動きが出ている。地元の産出品を地元で消費するということは、大変重要である。行政側では、地元の産出品を他の地域へ出荷するための斡旋なども手がけている。最近は、それぞれの地方の珍しい産物を、住民が買い求める動きが起きている。このような動きを観光と結びつけることにより、ベッド&ブレックファスト(簡易宿)として提供する等新しい収入源となるというように、考え方も変わってきた。

シュテムスホーン氏(ドイツ):

ウルムでは、新しくできたカセドラル教会前の大きな市場で、地元の農家による良い産出品の販売が可能となった。これらはスーパーマーケットよりも少し割高でも、住民にとっては魅力的である。今では、この市場が人々の出会いの場所としての性格を持ち始めている。

 

市民:

ビゴの、620ものレストランで使っている食材は、すべて地元の食材で賄われているのか。また、これらのレストランが町の中にできた経緯(歴史)について知りたい。

ドミンゲス氏(スペイン):

2000軒あるバーでは、「タパス」とというリアス(ビゴ)の方で採れた地元の産品を使うことが多いが、レストランはビゴで採れたものだけを使うわけではない。レストランができた経緯については明確にはわかりかねるが、漁港では漁師や漁港で働く人たち等出入りが非常に多く、それでレストランが発達したのだと思う。

 

市民:

黒部の印象(良いと思う点、悪いと思う点)についての意見は?

ウォーカー氏(イギリス):

一つは、黒部の人々のフレンドリーな態度。これは大変重要な要素である。二つ目は、コラーレ等の観光に資する施設である。ホテルロイヤルバリーの庭も大変すばらしい。こうした施設、レストラン、ホテルをアピールして、国際会議等を招致するのも良いと考える。また、アウトドアの活動(ガイド付きの山登り、サイクリング、レンタル自転車)も考えられる。黒部は大変静かで、リラックスのための良い環境にあるので、“リラックスできる場所”として売り込むことが可能であろう。

また、物事の決定方法としては、イギリスの場合は大きな組織である市議会などを通すと、あまり能率的ではないので、“タウンセンターマネージャー(総括管理者)”を一人任命している。問題が生じたときに、一人の担当者がそれを把握している方がより効率的だからである。

また、マンチェスターのすぐ近くに、“ゲイトウェイ・トウ・ウインダミア”(ウインダミアの入口)としてまちをアピールしている場所がある。

 

 

 

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