日本財団 図書館


市民:

交通量の規制を含めショッピング街を新しく作ろうとしたということだが、これは一つの都市計画だと思う。それは市や行政がきっちりと計画を練ったうえでやったのか、あるいは市民レベルまたはビジネスのレベルできっちりまとめていったのか。

ミッデルホフ氏(オランダ):

ショッピング街の建設や交通量の規制を含めた商業地のデザインを考えたのは、行政側だった。その間に、いろいろな商業者の方たちとの話し合いを経て、商業地の周遊ロードの設置や、余分な交通量の規制が行われたのだ。

 

市民:

今、黒部市では大きなショッピングセンターができたことによって、小さな商業が成り立たない状態だが、両市はどうだろうか。

ミッデルホフ氏(オランダ):

ショッピングセンターの進出により、小さな商店が成り立たないという問題を避けるために、その町の中心街で大きな利益をあげられないものは外へ出てはいけないと定め、一定の利益がなければ外へ出てはいけないことを法律で定めている。このように、まず中心街を中心に考えるというのが基本になっている。スネーク市のあるフリースランド州では、産業全体に規制がかけられている。

大きなショッピングセンターにお客をとられる状況は、今日、オランダ各地で起こっている。その法律では、大都市の郊外に限定して、ショッピングセンターの建設地域を定めている。もう一つ、中心地の小さな商店については、昔から守っている品質などで魅力をアピールするのも一つの考え方だが、なかなか困難であるというのが現実だ。黒部市にこのようなシステムがあるかどうかは分からないが、中心地にコンパクトなショッピングエリアを作ることも、検討すべきだ。

 

市民:

外から観光客が自分の町にやってくるということが、そこに住む市民にとって誇りを深めることになるのだろうか。

ミッデルホフ氏(オランダ):

ときに観光客は、その市の住民よりもその市について詳しかったり、より誇りをもって見てくれたりすることがある。観光客が多数来訪するということが、住民の自尊心を非常に高めることにもなっている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION