大事なことは、黒部をほかの観光地と同じような売り方をしないということ。いかに差別化をしていくかということと、プロモーションをどのように図っていくかがとても大事で、アイデンティティーをしっかり確立することが方針としては大切ではないか。
市民:
市民に期待していることは何か。
ドミンゲス氏(スペイン):
市がビゴという市を観光都市であると認識することであり、同時に、市民にもその認識をもってもらうことだ。市民には、それぞれが観光客にとってのガイドになってほしい。観光客に何か尋ねられたときに、何も答えられないということがないように市民に情報を与えていきたいという位置づけで考えている。
市民:
産業の町から観光の町にしたいという本質的な理由は何なのか。
ドミンゲス氏(スペイン):
町のイメージ、市のイメージは、工業も地元にとってはとても大事だが、ビゴ市の観光部では、たとえば「インダストリー(工業)」という言葉を使わないようにしている。ヨーロッパでその市の名前を聞いたときに工業しか出てこなかったら、それはとても魅力的な町とはいえないので、観光都市というイメージ戦略をとることになったのだ。
市民:
スネーク市では、1945年に町を保存するための法律を作ったということと、それに関連して市の都市計画が法律で決められているということだが、市民の声を都市計画の中に反映させるような方策をどのようにとっていったのか。
ミッデルホフ氏(オランダ):
大事なことは、市民にとって魅力的な町は、旅行者にとっても魅力的だということ。その点において、市民の声を汲み上げていくことは非常に大事なことだ。その点で、いろいろな都市計画の法律等に市民の声が取り入れられてきたものと思う。
また確かに、観光業は町に様々な潤いをもたらすが、やはり産業(ビジネス)が基本的に整備されていなければ、その町の土台が崩れていくのであるから、観光業にあまり期待をしないことも大事ではないか。