そのような問題に備えてということだからではないと思うが、“ネイビークラブ”というスネーク市のレジャー愛好者たちと漁師さんたちの団体の親睦会のようなものも実施されている。
市民:
観光に関する予算についてお聞きしたい。
ドミンゲス氏(スペイン):
総額で1億4600万ペセタ。もちろんビゴ市の予算もつぎ込んだが、ガルシア地方全体の予算があり、そのうちのビゴに対する観光振興政策費も使用した。そして、ビゴ市以外に行くときは、ガルシアの地方政府のいろいろな施設などを使わせてもらうことができた。昨年は、104万人の観光客を受け入れている。シーフードのレストランやバーも備えており、七つの高級ホテル、全体で4400ベットの収容能力がある。
市民:
黒部について何かご意見があれば聞きたい。黒部にたくさんの観光客が来て、楽しんでいくチャンスはあるのか。
ミッデルホフ氏(オランダ):
町の真ん中でも、市街地でもいいので非常にコンパクトにまとまった観光センター、またはビジネスセンターといったものを設けたらどうだろう。気軽に立ち寄れるような、何か一か所にまとまった施設があればいいと思う。
また、せっかく観光客に来てもらっても、心の中にもって帰ってもらうものが何もなければ、もったいない。夜間にレストラン・バーを開店させて、直接人と触れ合えるようなかたちにしたらどうだろう。
ドミンゲス氏(スペイン):
食ということを考えるときに、料理の質を含めて、地元の産物の質が非常に重要になると思う。素材も含めて、もともと地元にあったものの質をいかに上げるかということで、そのためにはレストラン学校は非常に有用であると思う。
黒部市には自然や食文化など本当にすばらしい観光的な資源がいろいろある。私が黒部へお邪魔する前に、町にいる日本の女の子に黒部の話をすると、「黒部はすごく美しくて、風景もすばらしくて、すてきな町ですよ」と言っていた。それが黒部の観光の一番のプロモーション(売り)であると思う。
しかし大事なことは、何が良いもので、何を変えなくてはいけないかをしっかり認識すること。その点において、このような大きなスケールで観光を考え、どのように魅力的な町にするかというミーティングが開かれるということ自体が、私にとっては非常に印象的である。もし私どもの町で、このようなタウンミーティングを開いたとしても、そんなにたくさんの参加者は見込めないのではないだろうか。そういう点からも、観光というクォリティーを真剣に考えているし、このようなミーティングを開けるということが、可能性としてはすばらしくあるのではないか。