市民:
ビゴのまちはとても良いところだと市民にPRを行ったというが、具体的に聞きたい。
ドミンゲス氏(スペイン):
市内にある文化的、歴史的な遺跡の再生を図った。そのうえで新聞、ラジオの番組など、あらゆる機会をとらえて市民に情報を提供した。特に宗教的なフェスティバルには番組の中に市民を招いて参加してもらった。参加してもらうことが皆さんに知っていただく機会を与えることになると思う。自然の観光資源、文化的な観光資源を観光客だけに与えるのではなく、観光情報を市民にも与えていくということが、今のように皆さんに興味をもってもらうことにつながったと思う。
7月からは市民を招き、自然が豊かなところや文化的な遺産を一緒に回ってもらう市内観光バスが運行する。また、リアス海岸の周辺を一周するような、無料の旅行に市民を招いたりしている。
市民:
黒部市ではマリーンの低迷が続いているがスネークではどんな状況か。
ミッデルホフ氏(オランダ):
スネークでは、マリンスポーツといっても、それは湖で行われているものを指す。静かな湖面でセーリングをしたり釣りをしたりと、いろいろ楽しむことができる。オランダでもスキューバダイビングを楽しんだり、海のマリンスポーツを楽しむ。たとえばヨットでは、ハーバーから外洋の方へ出ていくのではなく、ハーバーからハーバーをヨットでセーリングする。そういう意味では、富山港と黒部港というふうに割と間近に港があるならば、そこを行ったり来たりするのはあまり危険を伴わないと思う。
市民:
日本では、漁業とレジャーとの間でいろいろなトラブルがある。その点、両国ではどんなのか教えていただきたい。
ドミンゲス氏(スペイン):
ビゴ港は非常に大きな港で、港施設に関しては、伝統漁業の船のために30万平方メートルの基地を用意しており、レジャーボート用の地域はまた別になっている。そういう意味では、商業船とレジャー船が問題を起こすということは今までにない。海上においても、ビゴ港はヨーロッパ全土から観光客を運んでくる船が40路線あり、ガルシア地方のスポーツボートの62%がビゴ港から出たり入ったりしている広いところなので、それほど目立った問題はないように思う。
ミッデルホフ氏(オランダ):
トラブルがある場合は、漁業者の方がアマチュアのレジャーの方に、「ここは漁業者用のところだから、他へ行きなさい」と言えば、問題は解決する。