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ロ. 欧州4都市からの提言

 

(A) まちづくりについて

・市民にとって魅力のあるまちは旅行者にとっても魅力があり、市民が住み良いまちは観光客にとっても快いまちであること。ゆえに市民が住み良いと感じることがまちづくりの目的である(スネーク)

・まちづくりは半分は市民のために、半分は観光客のために行われるもの(スネーク)

・まちづくりは市民合意を形成することがスタートだが、まちの個性化を意識しながら行政が強い意志で実行すべきものと考える。(ウルム)

・長い歴史に裏打ちされたイベント、町並保存が大切である。地域の特性を変えないことも大切(スネーク)

・何を守り、何を変えなければならないかをはっきりさせなければならない(ビゴ)

・ビゴは工業のまちから観光のまちへ脱皮するため行政主導で市民の意識改革から始めた。市民自身が自らの住むまちの良さを知ることからスタートした。(ビゴ)

・湖水地方の特性を変えないようにしかもその特性をグレードアップするために市民、行政、企業の力を結集した。(南湖水地方ケンダル)

 

(B) 観光について

・観光客にまちを見られることにより、まちは自らをドレスアップしてくる。(水辺空間、ガーデニング)(ウルム)

・観光客が多く訪れることが自分たちの自尊心を高めてくれる。(スネーク)

・観光業はまちにいろいろな潤いを齎してくれる(スネーク)

・観光は地域の産業、基盤がしっかりした上になりたっている。既存の産業に代替するものではない。(スネーク)

・観光はその地域産業に波及効果も大きい(漁業→缶詰→冷凍食品)(ビゴ)

・観光施設・イベントは周辺の環境をこわすことなく進めるべきである。(ビゴ)

・他の観光地と同じような売り方をしない。(差別化が必要)(ビゴ)

・旅行者受け入れのインフラの整備は十分計画的にしなければならない(ビゴ)

・ビゴで観光開発のために打った手は、過去の遺産を回復するために……動植物の目録の作成、文化遺産のカタログ作成、歴史的水車の改修、歴史遺産の案内の整備、歴史地区の活性化、再生。観光の専門家を育成すること。ビゴの食文化を作り上げるために料理学校をの設立した。観光の振興策として、市民への広報やインフォメーションセンターの設立。(特に自然、食文化し伝統の3点について市民への広報)

・その地で産出したものをその地で消費する仕組みが育ってくる。(ケンダル)

・その地の農業を観光と結びつける。(ケンダル)

・観光産業は地域の人々にとってもいい財産であること。(ケンダル)

・観光による雇用の機会が増加し、財政的に潤う(ケンダル)

 

(C) 都市計画・まち中の再生・活性化について

・交通量を市の中心から外側へ出して行くという取り組み。(ウルム)

・車の規制によってダウンタウンの魅力が増えた。中心ショッピング街では観光客がくつろげるスペースができたのと中心街の再生のための計画。歩行者天国と車の駐車との共存の考え。パブリックスペースのコンセプト(ウルム)

・共有スペースの確保。これにより観光客が寛げるスペースの確保(ウルム)

・教会前の広場で市ができ地元の産品を売っている。市民の声が聞ける。(ウルム)

・都市計画にはエリア計画(景観)を取り入れる。(ウルム)

・大規模ショッピングセンターは地域の周辺部を指定。中心地にはコンパクトなものを計画。(ウルム)

・街を再興するには緑と公園を街の中につくらなければならないという考え。(ウルム)

 

 

 

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