3. 今後の課題
草の根国際交流発掘支援事業の趣旨を踏まえながら、平成11年度事業としては、10年度における1]別府ONSEN文化国際交流事業の深化を図ること、2]海外で「ONSEN文化とまちづくり」の調査をすること、3]国内でのフォローアップ事業を行うこと、4]事務局体制の強化のもとに、欧州での交流拡大事業、国内での交流拡大事業等を通じて実施された。11年度は「世界に伝えよう別府」、12年度は「世界と創ろう別府」のコンセプトをつくり、推進していこうとしている。
今後の方向としては、以下のことが重要なテーマとなる。
1)別府ONSEN文化国際交流事業の拡大をはかること
1]ONSENと医療の関わり
日本ではヨーロッパのようにONSEN医療に対する保険制度はない。
端的に言えばONSEN医療は現状では保険制度の対象外である。しかし、これからの高齢社会、ストレス社会を考えるとき、予防医学の重要性を考え、あるいは薬漬け医療に反対する医師のグループと提携してONSEN施療法のプログラムを作成する事が必要である。
また、温泉療法として従来から行われている他の温泉地との「国内交流」も考慮する必要がある。
2]ONSENと美容の関わり
いつも若々しくありたいというのは男女問わず共通の望みである。海外のONSEN地ではONSENをべースにした泥美容、各種エステが盛んである。これを受けることにより心身共にリラックスして精神的な癒しを感じることができる。
海外やわが国の関係団体等と提携して本格的なソフトづくりが必要である。
3]ONSENと産物の関わり
ONSENを利用した産物というと日本では入浴剤がその代表であるが、海外ではそれだけではなく、泥、化粧品、飲用泉などいろんな種類のものがある。日本とは法律が違うという点もあるがONSENの成分分析をもとに新しい産物を作り上げそれを別府の特産品としていくことが必要である。本物が大切にされる現在世界11種類中10種類の泉質をもつ別府のONSENは大きな可能性を持っている。
2)別府ONSEN文化の情報の発信を行うこと
海外との連絡を密にし、継続的な交流を行うためにインターネット上に別府ONSEN文化国際交流のメーリングリストを作成する。これからの国際化の流れとしてそこでの発言は英語とする。同時に国内における発信ということも考え国内向けの日本語版メーリングリストも作成する。交流先ONSEN地のホームページに日本語バージョンができるように働きかけるとともに別府のホームページを多言語にしてONSEN文化の情報を海外にも出せると良い。
3)ONSENとしての都市景観と環境保全の促進を行うこと
ONSEN地療法を目指す別府にとって環境問題は切実である。木を切るなというより、木を植える、花を育てるといった努力を計画的に行わなければいけない市内には緑がたりない。癒しを感じてもらう町になるためには景観の保持あるいは良き景観を創るという努力が必要である。またONSENは有限な資源であるので地理的、歴史的条件を考え有効に利用すべきである。
4)今後の行動計画を作成すること
上記の点も踏まえて、地域ぐるみの活動が継続できるように、テーマを掲げ、行動計画を作ることが重要である。行動計画の中には、行政・団体・市民・大学・企業等に係わる人たちの役割分担、パートナーシップを明確にする必要がある。