温泉を治療に役立たせるために温泉水の分析をして漫性疾患への効能を見い出すこと、事故後の治療の対応等、広く患者層をターゲットにしても良いと思う。また、美容分野等への活用もある。調査後はその結果を雑誌あるいはインターネットに紹介する事等の方法により、温泉医療を広めることもあると思う。
温泉治療に関する保健については、民間の保健会社へのアプローチも考えてみたらどうだろうか。
観光プロモーションは、治療ツアーとして温泉治療を兼ねたパッケージ・ツアーを考えてみても良いのではないか。これからは1]観光文化レベル、2]温泉治療・施設、3]科学的情報をどのように発信していくのかが大切と考える。
今後の交流については、日本の医師の方々もイタリアヘ来て欲しい。
3]デイディエ・フクリ(フランス)
エクスレバンは、ヨーロッパの中で温泉の医学療法を取り入れていることで知られている。それだけ医学面での温泉が重視されている。特に、温泉における衛生については十分注意をはらっていて、温泉保護の観点から、質の検査は定期的に行い、バクテリア等のチェックなども行っている。
フランスと日本では、湯の文化の発展は異なっており、今後、日本では温泉を医学的療法に活用するようにしたらよいと思う。
4]マルチーヌ・ジャンス(フランス)
日本では、治療を考えるに全面的に薬に依存しているように思う。温泉治療をすすめるには、その受け入れ体制をどのようにするかが重要である。たとえば、障害者に対しては、どのように対応するのかがある。フランスでも当初はなかなか温泉効果を認めてくれない状況にあった。その後、徐々に理解され、今では、子供から老人まで各年齢層の人が温泉に集まってきており、温泉施設もすべての人が利用できるようにバランスがとれている。団体、高齢者の方々には視察をしてもらい、利用しやすいようにしている。常に市民が意識をもてるような「つながり」を取っている。
また、温泉での事故、衛生面の対応が重要である。集団での医学療法から個人的な療養までいろいろあるが、まずこれらに携わる優秀なスタッフの配置が大切である。すなわちそのためには人材の育成が重要な要素と思う。
今後の交流については、別府市民もわが街にも来ていただいて、今回のような意見交換が出来ればと思っている。
3 別府側の意見
今後、別府としては、温泉を活用した健康プログラムを作成し、旅行者にアピールしたいと思う。近年、都会では精神的な不安を訴える声が増えており、これらの人に対して治療効果を上げることに活用できると思われる。
「別府をこれからどのようにPRすればよいのか」と言う課題については、次世代をターゲットにした別府住民の意識の高揚が重要だと思われる。
「街づくりを今後どのようにすすめるのか」については、交流の継続のプログラムの作成し、医師会、美容協会、マッサージ組合、旅館組合、交通機関、観光協会等の各関係者の役割を捉えたテーマが必要と思う。各国のプログラムを参考にしながら、こちらからの情報も発信し、交互に情報交換が出来ることを望んでいる。
今後交流を継続する上で、別府は、この協議会が窓口となり進めていきたい。今回参加のハンガリー、イタリア、フランス各国の皆さんにおいても、今回の会合を機会に交流窓口としてお願いするとともに、交流の継続をお願いしたい。