(4) 今後の交流についての会議(ファイナル・ミーティング)
今回の交流拡大事業を通じて、これからの別府温泉文化を如何に振興するのか、また、今後の交流についての意見交換が行われた。
冒頭、別府側より次の「温泉に係る医療プログラムの概要について」の説明があり、その後、海外からの各招請者から意見が出された。
1 医療プログラムの概要
目的:
別府における温泉の医学治療への応用の可能性を模索することで、温泉文化の新たな価値を創造する。
対象者:
身体的な問題を抱える、もしくは美容療法に関心を持ち、医学療法と組合わさった温泉治療を受けることを希望する人。
方法:
1]医療又は大学などの専門機関による調査を通じて、別府の温泉の治療における効能を確認。
2]国内外の医療専門家の協力を得て、1週間から3週間の試験的温泉治療プログラムを作成。治療期間中、患者が滞在を楽しめるようにクラシックコンサート、ガイド付町並み散策、地元の人々との交流会等エンターテインメントをプログラムに盛り込む。そのため、地元の一般市民のボランティアを募集し、プログラムへの協力を呼びかける。
3]参加者の宿泊を安価にて提供できる協力ホテル/旅館を募集。
4]マスメディアを通じて治療患者を募集。
5]治療を開始。終了後、医師の効能分析評価及び参加者のアンケートを分析し、結果を考察。
6]プログラム内容を分析見直しすると共に、必要に応じて、結果をインターネットを通じて公表。
2 海外招請者の意見
1]イストバン・フルック(ハンガリー)
温泉を利用した治療を進めるにあたっては、例えばプール治療では温度調整が問題になるなど複雑な要素が関わってくる。それらを含めて、上手に事業を進めるのは、法的な面での整備が必要と思われる。また、教育面であり、専門家の育成が大切である。特に優秀なスタッフを備えることが重要である。日本には有名な医師が多くいると思う。次の3点、1]法的なルール作り、2]技術の向上、3]スタッフの育成が重要と考える。温泉を今後どのように活用するかを考えるには、まず独自の伝統をおろそかにしてはならないと思う。それらを維持しながら新しいスタイルを付け加えることを考えたらよいと思う。
観光振興にあたっては、イメージ作りのためのキャッチ・フレーズを考えてみてはどうだろうか。例えばスイスのようにTo be happy.To be healthy.等、To be...にしてみてはどうだろうか。ツアー造成に関しては、療養を目的である人を対象としたツアー、週末には美容を中心としたエステ・ツアー等。また地元の人には、入湯料を安くするのも一案と思う。ハンガリーでは、年1〜2度、地元の人に無料で解放している。
これからの交流については、ハンガリーへ来られる別府の人は少ないけれど、今後とも交流を進めて行きたい。
2]ブルーノ・ファッブリ(イタリア)
別府側の医療プログラムでは、医療または大学などの専門機関に調査を通じて別府の温泉治療の効能を考えるとしており、教育機関との連携を考えていることは、とても大切なことと思う。