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・別府は山や海などの自然環境に恵まれており、これを上手に活用すべきである。

・マーケティングについては、観光都市をアピールするのであれば、まずは観光の側面を強調し、医療の側面を全面に出さないことが重要である。また、観光客の特徴、国籍などによる関心の違いなどにそくした、観光の目玉となるような観光商品を開発すべきである。

 

5]中田裕久氏 (コーディネーター)

・今後の温泉地の戦略として、いくつかの方法が考えられるだろう。日本と決定的に異なる点として、ハンガリー、イタリア、フランス3カ国とも、あくまで温泉治療がベースとなっており、その伝統が現在に至るまで継承されていることあげられる。健康、美容増進への取り組みはそのような治療の上に展開されており、このような方法で温泉活用を広げていくのも一つの戦略であると言える。また、温泉地のもつ自然や歴史、文化、イベント、人などの魅力を活かしたレジャープログラムを開発する誘客戦略も考えれる。その際には、医療的側面と余暇的側面の両方をアピールすることが重要である。具体的には、イタリアのアバノで実際に行われているスポーツや美容ヘの温泉利用や、ハンガリーの温泉療法体験コースの開発、エクスレバンに見られる町の美化政策などが参考になると思われる。これらの実践を、実際に現地で視察したり、今後も交流を継続していくことにより、別府八湯のあり方に対する議論を深めていってほしい。

 

 

 

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