(3) 国際交流ミーティング
「欧州の温泉保養地と環境保全〜別府八湯の21世紀的展開とは」
1]イストヴァン・フルック氏(ハンガリー)
・今日のツーリストは、明日の患者となりうることを念頭に置く必要がある。
・現在別府にある施設を活用して、ハンガリーにあるような安価な1週間程度の短期温泉療法体験コースや、美容パッケージなどを作れないか。必ずしも新たな施設を建設する必要はなく、現存の施設の内容を充実して新たな機能を追加することができる。また、企業の重役や顧客などを温泉地に滞在させる病気予防プログラムなども、日本に取り入れられるものと考える。その際にも、伝統的な温泉活用を大事にすることが重要である。
2]ブルーノ・ファブリ博士(イタリア)
・健康や美容増進に関して温泉の利用を推進していく上では、若い年齢層を対象とした施設やプログラムが必要である。スポーツや自動車による事故のリハビリテーションなどが考えられ、これらは新たに温泉療法を取り入れていく際には重要である。観光客と患者の間にいるボーダーラインの人々を対象とした、治療ができ、なおかつ美容増進やフィットネス、リラクゼーションなどもできる施設が必要である。
・別府は自然に恵まれており、素晴らしいコンベンションセンターもある。温泉療法を発展していく上で潜在能力の高い町である。政府の政策を変えることは容易なことではないが、町として「ヘルス・ツーリズム」といった新しい方向性を打ち出していく姿勢を見せることが必要であろう。
3]マルティーヌ・ジャンス女史(フランス)
・治療ばかりでなく、ゆったりと楽しく過ごせる時間と空間を提供することが大事である。季節によって利用者の性格や関心が異なる場合があるので、それに合わせた活動を用意する必要がある。また、利用者同士の交流を促進できるような場の提供も大事である。
・別府とエクスレバンの共通点としては、山と水とレジャーがあげられる。治療と観光は密接な関係にあり、その共通点として温泉がある。
・温泉治療に訪れる患者のために、町の中心地から車を排除するなどの配慮が必要である。また、あらゆる所に花を植えるなど、美しい街づくりを心がけることが重要である。
4]ディディエ・フクリ氏(フランス)
・別府港で廃船を見たが、そうしたものはあってはならない。観光都市は清潔で美しくなければならないと考える。環境保全などそのための努力は非常に大事である。また、観光客のために多様な活動を用意する必要がある。
・観光産業の有益性に対する国民の認識を高めると同時に、観光産業に携わる者はプ口意識を培うことが大事である。観光客数などに関わる統計の知識と、それに基づいたプロモーションが必要である。