<日本の温泉療法に対する評価・意識について>
第二次世界大戦以前より、九州大学の温泉治療学研究所をはじめとする研究所が設立されたが、温泉の治療効果を立証する研究結果を得るまでには至っておらず、その効果に対する評価はほとんど認められていない。治療としてではなく、リハビリテーションの一部に利用されるに留まっている温泉療法は、施設管理費や人件費が大きな負担となり、民間施設で行うことは困難である。
日本では、福祉や温泉療法などといった分野に対する関心が歴史的にも低い。そのため、医療の中に直接温泉療法を取り込むこと以前に、まずは温泉地での保養やレクリエーションに着目する「温泉地療法」に対する発想の転換を図ることが重要ではないか。
また、健康に関わる投資に対する意識が低く、薬以外の無形の治療行為に対する評価はほとんどされていない。国民の温泉療法に対する評価を高め、そのための出費が有意義なものであるとの認識をどのように育てるかが問題である。
5]別府ONSENプロジェクトチーム側
<日本の温泉療法に対する評価・意識について>
近年の赤ワインブーム等にも表れているとおり、日本人の健康に対する関心は徐々に高まっており、本事業を推進していく上での土台はできつつあるのではないか。
<今後の日本の温泉利用について>
21世紀には、多様な産業が融合した新産業が誕生することを期待しており例えば医療と観光を結びつけた新しい産業の創造を模索しようとしている。