・宿泊客の平均年齢:
50歳から60歳前後。最近は30歳代も若干増えているが、割合は少ない。個人旅行客が多く、現地で友達を作るので、ホテル側は食事の際のマッチングに気を配っている。
・平均滞在日数:
10日間から2週間
・マーケティング:
・アバノ市との連携による広報活動(プロモート・コンソーシアム)
・観光産業の見本市での出展
・ホテル個別のマーケティング
顧客の60から70%はホテル固有のリピーター。宿泊タイプは下記の2種類がある。
1) 1年に1回 2、3週間滞在
2) 1年に2回(春、秋) 1週間滞在
ホテル例1:トリエステ&ビクトリアホテル
付帯施設:
屋内温泉プール2(35℃、35℃)、野外プール(水泳用)、エステ・ビューティ・サロンジェット・マッサージ室(肥満治療)、吸入室(鼻・喘息・肺・喉の治療)、トレーニング・ジム
部屋数:
200人収容
職員数:
100人(メディカル・ビューティ担当者40人)
内訳:
医者2名、物理療法士5人、エステシャン4人、ファンゴ担当者5人、マッサージ師15人
宿泊料金:
スイート:4万5千円(1泊食事込)
スタンダード:1万5、6千円(ファンゴ室併設部屋は別料金)
ホテル例2:ミケランジェロ・ホテル
シーズン:
4、5月、9、10月
*シーズン・オフの12月から1月には休館
3]保養都市としての発展の歴史
ローマ時代からの歴史があり、遺跡もある。日本の伊香保市と姉妹都市関係を締結しており、昨年はアバノ市訪問団が伊香保市を訪問。2001年にも訪問を予定している。経済的に100パーセント温泉に依存しており、年間の観光客は200万人。その他産業としては、手工業、農業。ヴェニスに近く、毎年2月に開催される謝肉祭には、今年は700人がアバノ市から選出され、仮装パレードに参加した。市内にはパドパ大学と関係のある温泉研究所で、温泉の医学的な研究が行われており、温泉医療に役立っている。
4]町づくりの基本方針・主要計画
・建築物規制
都市の町並みの保全の為、建物の高さ規制がある。また、温泉資源の保護の為、泉源の掘削規制がある。
・シンボル・ロードの完成
ホテル街に続く一般道であった国道257号線を新しいアバノのイメージ・シンボルにする為、車両の通行規制を行い、遊歩道とした。併せて、道路の中心に水路とモニュメントを作り、くつろぎの空間作りを行っている。計画は当時の市長(サルモソ教授)が提示し、計画から完成まで7年の歳月を費やした(イタリアでは標準的な工事期間)。費用は全て市が負担。計画立案当初は民間、特に道路上の商店街からの猛反対を受けたが、市は計画を断行。完成後は高く評価され、その他の地域でも同様の計画の推進希望が民間側から出ているという。観光客からの評価も上々で、ドイツ人観光客が増加したという。現在では、ドイツ人観光客は全体の40%を占めている。