文化都市として
・市営オペラ・ハウスの建設
文化面で客を誘致する為に建設され、収容人数2,500名、国内2位の規模を誇っている。完成当初はさまざまな問題が発生したが、現在では軌道にのっており、ザルツブルグ音楽祭と提携し、カラヤン音楽祭を毎年バーデン・バーデンで開催している。来客の20パーセントが遠方からの訪問者であるが、今後4年間にその割合を40〜50パーセントに引き上げ、文化面のみならず、経済面でも貢献できるようにしたいと考えている。現在は市が主体となり運営されているが、将来的には民間委託を検討する方針。
・市営オーケストラ・市営劇場
オーケストラ、劇場共に専門団員を有し、特にオーケストラは、定期演奏会の他にも雨天時以外は毎日午後4時からクア・ハウスの前の野外ステージで無料コンサートを開催している。これにより文化都市としての印象をより一層鮮明に打ち出せるだけではなく、団員の本番に備えた良いトレーニングになっているようだ。なお、オーケストラの人件費は600万マルクでそのうち480万マルクは州政府からの補助金で賄われている。
・民間アソシエーション
市内には600を越えるアソシエーションと呼ばれる民間主体の独自活動クラブ・協会があり、地域の活性化に貢献するのみならず、イベントの開催等を通じて観光客の誘致にも大きく貢献しているという。すべてボランティアで運営されているが、バーデン・バーデン市が会員に補助を行っている。アソシエーションは、3分の1が文化関係、3分の1がスポーツ関係となっており、市民のほとんどは2、3のアソシエーションを掛け持ちしている。スポーツ関係のものには1万6千人が参加しており、ゴルフやテニスなどのアソシエーションには市の施設を低料金で貸与している為、観光客も活動に受け入れるよう市の条例で明記されている。こうして、長期滞在保養客は、滞在中も趣味を続けることができる。
・バーデン・ギュルテンベルグ州政府からの補助金
カジノを有すクアハウスはバーデン・ギュルテンベルグ州政府の所有となっている為、カジノの収益はすべて州政府の収入となり、その一部がバーデン・バーデン市に補助金として与えられる。
例:
1998年度実績
6200万マルク カジノ収益金
↓90%
5000万マルク バーデン・ギュルテンベルグ州収益
↓
1200万マルク バーデン・バーデンへの文化支援金
観光都市として
・国際空港の完成
2年前にバーデン・バーデン市から15キロ離れた所に国際空港が完成した。これはヨーロッパのほとんどの国の首都とのコネクションがあり、この完成により約10分でバーデン・バーデンの市内中心部に入られるようになった。これにより、遠方からの訪問客の利便性が増し、特に政治家や著名人の安全性がより確実に確保されるようになった。ただし、その他の大きな事業と同様、採算がとれるようになるにはやはり今後数年かかると予想されている。
・イベントの開催
市内にて開催されるイベントは多く、年間1,000以上にものぼり、民間独自で開催しているものについては市として全て把握することは不可能だという。その内訳は市主導型のイベントが3分の1、民間開催が3分の1、そしてイベント専門会社が開催するものが残り3分の1となっている。夏はさまざまな行事が同時に開催され、特に町が活気付く。