5] その他
・国内の同一業界団体からも認知されうる事業か否か。
日本全国の太鼓団体で結成される(財)日本太鼓連盟へ情報収集へ伺ったところ、土佐窪川は連盟に未加入であり、連盟としての支援は難しいとの回答であった。日本国内には無数の太鼓演奏団体があり、土佐窪川がその中で際だって特色ある活動を展開しているわけではないため、そうした意味で同一業界から十分認知されうるものとは言い難いと思われる。
・地域内に交流会場となる施設及び通訳等の対応能力があるか否か。
平成7年3月完成の「窪川四万十会館」が町内唯一といっても良いコンベンション施設であり、太鼓演奏による交流には十分な仕様であった。また、演奏であれば、隣接の「四万十緑林公園」内(屋外)でも交流会場となりうるであろう。
通訳等については、町役場に1人、先述のJETプログラム派遣者が英語に堪能で、さらに町民からのボランティアを募れば、必要限度の対応は可能と思われる。
また、宿泊施設については、いわゆるビジネスホテルが1つあるのみで、あとは旅館、民宿の類である。なお、ホームステイ受入家庭は十分にあるとのこと。
4. 支援協力への希望
町としては、交流事業にかける資金が0ということで、実施経費はすべて支援を受けたいとの希望である。
また、交流事業内容としては、堅苦しい会議(話し合い)ではなく、あくまで演奏による文化交流を中心としたいとの希望である。
5. 事業への熱意
事前の電話ではそれなりの熱意しか感じられなかったが、実際に足を運んで説明を行い、具体的な話を進めるにつれ、熱意はあるものの資金不足に縛られて思うような活動ができないという姿が明らかにわかった。
6. 所感
資金面での重大な問題を除けば、事業への熱意や実施体制など特段の問題があるとは思えなかった。しかし、現実に海外からの招請者を迎える際に、現地へのアクセスにかなり問題があると思った(高知空港からさらに2〜3時間を要する)。
また、伝統芸能である太鼓団体にしては、結成後わずか10年の活動実績しかないということは、端的に言って「地域文化」といえるのだろうか、との疑問も持たざるを得ない。
さらに、本事業には太鼓の輸送が常に必要不可欠となるが、太鼓の輸送にはかなりの費用がかかることから、仮に海外から太鼓のような楽器を運搬する際に生ずる費用を考えると実行性に疑問がある。