ロシア
(1) 一般事情
ロシア連邦は、北部は北極海に面し、北西部はノルウェー、フィンランド・エストニアおよびラトビアと、西部はリトアニア、ベラルーシおよびウクライナと、それぞれ国境を接している。
欧州地域では、南部が黒海、ジョージア、アゼルバイジャン、カスピ海、カザフスタンなどと境を接している。
また、極東地域およびシベリアでは、南部は中国、モンゴルおよび北朝鮮と国境を接し、東部は日本海、オホーツク海および太平洋に面している。
国土面積は17,075,400km2(日本の45.2倍、米国の約2倍、旧ソ連の約76%)、人口は1億4,630万人(1999年1月1日現在)で、首都をモスクワ(人口884万人)におく。民族は、ロシア人(81.5%)、タタール人、ウクライナ人、チュヴァシ人などから成る。
言語は、公用語のロシア語のほか100以上の言語がある。
宗教は、ロシア正教が最も優勢であるが、イスラム教、ユダヤ教、仏教等多数の宗教がある。
通貨は、ルーブル(99年5月28日現在1ドル=24.46ルーブル)が使用されている。ロシアは、2000年夏に大統領選挙が行われる予定になっており、ポスト・エリツィンをにらんで有力政治家が様々な動きを見せ始め、不安定な内政が続いている。
外交では、ロシアは世界が多極化しているとの認識の下、全方位外交を標榜し、アジア地域等米欧以外の諸国との関係改善に努めている。
ロシアの経済は、97年にソ連崩壊後初めてプラス成長を達成したが、98年は再び縮小に転じた。
生産面では工業、農業生産ともに前年比で大幅に低下し、国内投資も5〜10%の減少となり、98年の経済成長率はマイナス4.6%を記録しており、99年も2〜3%減が予想されている。
98年夏の金融・為替危機以降経済危機が深刻化し、公的債務の不履行など金融システム回復の兆しは見えていない。また、インフレ再燃が強まっている。
99年中に対外債務175億ドルの返済を抱えており、国際機関・西側諸国の金融支援が必要な状況にある。
世界銀行の推定によると、1996年のロシアの国民総生産(GNP)は、1994〜96年の平均価格で算定すると3,560億3,000万ドルであり、国民1人当りでは2,410ドルに相当する。
1990〜96年の期間における国民1人当りの実質GNPは、平均年率9.2%で減少しており、この期間の人口も同0.1%で減少している。