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1985〜94年の期間における国民1人当りの実質GNPは平均年率6.5%の割合で減少している。

また、1985〜95年の期間に人口は平均年率0.5%の割合で増加している。カザフスタンの国内総生産(GDP)は、1985〜95年の期間に実質で平均年率7.2%で減少をしており、95年の17.8%減に対し95年は8.9%減とやや回復している。

なお、96年は1.1%増、97年は2.0%増と回復しているが、98年には再び2.5%減と悪化している。

国際通貨基金の推定によると、農業部門(林業を含む)は1996年GDPの11.9%を寄与し、全労働人口の22.0%雇用している。

カザフスタンは、西部および中部に広大な穀倉地帯を有し、世界有数の農業生産国であり輸出国でもある。

主要作物は、甜菜、野菜、ポテト、綿などであるが、最も重要なのは穀物である。また、牧畜も盛んであり、特にカラクル・アストラカン産の羊毛は有名である。

なお、1995年末には国有農地の80%以上が、私有地として転換されている。

1990〜95年の期間における農業部門の実質GDPは、平均年率18.0%の割合で減少しており、95年は24.4%の減少、96年は3.9%の増加となっている。

しかし、最近は天候不順や農業機械の整備低下から生産量はピーク時の半分以下(約1,000万トン台)に減少している。

工業部門(鉱業、製造業、建設業、製材業、漁業、電力業を含む)は、1996年GDPの24.7%を寄与し、全労働人口の22.2%を雇用している。

工業部門のGDPは、1990〜95年の期間に平均年率19.2%の割合で減少しているが、96年には1%、97年には4%の成長率を記録している。

鉱業は、全労働人口の3.5%を雇用している。

カザフスタンは、豊富な鉱物資源を原料とする大規模な重工業、冶金・化学工業が発達している。

広大な炭田のほかに、鉄鉱、鉛、亜鉛鉱、チタニウム、マグネシウム、クロミウム、タングステン、モリブデン、金、銀、銅、マンガンも埋蔵されている。

原油は、世界最大といわれる未開発油田がカスピ地域にあり、既に北カスピ海では欧米石油メジャーや日本企業が、大規模な探査活動を開始している。

95年初めにおける原油および天然ガスの推定埋蔵量は、それぞれ45億トンと5兆9,000億m3といわれている。

なお、原油の生産高は2,570万トン(97年)、天然ガスは61億m3(97年)、褐炭は357万トン(96年)である。

製造業は、全労働人口の15.8%を雇用しており、GDPの30.6%(91年)を寄与している。

製造業の主要分野は、生産価格(94年)でみると、金属加工(全体の23.7%)、精油(8.4%)、化学(6.8%)、食品加工(5.4%)、機械(2.3%)となっている。

 

 

 

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