世界銀行の推定によると、1996年のポーランドの国民総生産(GNP)は、1994〜96年の平均価格で算定すると1,247億ドルとなり、国民1人当りでは3,230ドルに相当する。
1985〜95年の期間における国民1人当りの実質GNPは、年平均0.4%の割合で減少している。
また、同期間における人口は、年平均0.4%の割合は増加している。
ポーランドの国内総生産(GDP)は、1990〜96年の期間に年平均3.2%の割合で成長しており、96年の成長率は6.1%を記録している。
農業部門(牧、林、漁業を含む)は、96年GDPの6.9%を寄与し、全労働人口の25.6%がこの部門に従事している。
主な農産物は、ポテト、甜菜、小麦、大麦、ライ麦などである。また、畜産も国内需要に重要である。
1990〜96年の期間の農業部門のGDPは、実質で年平均1.6%の割合で減少している。94年は旱ばつの影響を大きく受け15.1%の減少となっているが、95年は10.4%、96年は2.6%の増加を記録している。
1960年代から70年代にかけて、政府が工業重視、農業軽視の政策を採ってきたため、農業における機械化と化学肥料投入が遅れ、戦前の農産品輸出国から戦後は輸入国に転じたが、近年に至って輸出入のバランスが改善されつつある。
工業部門(鉱業、製造業、電力業、建設業を含む)は、96年GDPの37.8%を寄与し、全労働人口の32.3%を雇用している。
1990〜96年の期間における工業部門のGDPは、年平均4.7%の割合で増加しており、95年には11.1%の成長率を達成しており、96年も7.1%の成長率を記録している。
1990〜91年の工業生産高は激しい減少に見舞われたが、96年の9.1%、97年の11.2%の増加により補っている。
この増加は、国営からの民営化に因るところが多い。
鉱業は、96年GDPの4.1%を寄与し、全労働人口の3.2%を雇用している。
ポーランドは、非鉄金属資源(銅、銀など)と共に、石炭、硫黄、天然ガスなどの資源に恵まれている。
石炭、銅、銀などは、ポーランドの主要輸出品であり、96年には硬質石炭の輸出だけでも輸出総額の4.7%を占めており、鉱工業はポーランドにとって重要な外貨獲得源となっている。
しかし、鉱業分野は80年代末から記録的な不振に陥り、93年の産出量は80年代標準の60%まで下落している。
1992〜96年の期間における鉱業分野のGDPは、年平均1.5%の割合で減少しているが、95年には1.5%、96年には4.7%の増加を記録している。