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世銀の推定によると、1995年におけるブルガリアの国民総生産(GNP)は、1993〜95年の平均価格で算定すると112億2,500万ドルであり、国民1人当り1,330ドルに相当する。

1985〜95年の期間に、国民1人当りのGNPは、平均年率2.2%(実質)の減となった。また、この期間における人口も平均年率0.6%の減であった。

ブルガリアの国内総生産(GDP)は、1985〜95年の期間に、実質で平均年率3.0%の減を記録しており、95年については2.9%の増となっているが、96年は再び10.9%の大きな減を記録している。

農業部門(林業、漁業を含む)は、1996年のGDPの11.7%を寄与し、全労働人口の24.2%がこの部門に従事している。

1990年に個人農業が公認されているが、これらの農業生産高は全農業生産高の75.4%(96年)を占めている。

主要作物は、小麦、大麦、とうもろこし、ぶどう、ポテト、タバコなどである。

ぶどう栽培は、近年広範囲にわたって行われており、89年にはブルガリアは世界第4位のワイン輸出国となっている。

このほか、加工農産品の中には国内需要を満たし輸出余力のあるものが多数ある。

世界銀行によると、1985〜95年の期間に、農業部門の実質GDPは、平均年率1.3%の割合で減少している。95年は14.5%の増となっているが、96年は18.1%の減を記録している。

農業総生産に占める畜産分野の比率は高く、70年の35.3%、80年の53%から90年には60%と、高い伸びを示している。

工業部門(鉱業、製造業、建設業、電力・水道業等を含む)は、96年のGDPの32.6%を寄与し、全労働人口の33.8%がこの部門に従事している。

世銀の推定によると、工業部門の実質GDPは1985〜95年の期間に、平均年率4.9%で減少しており、95年は5.4%、96年は8.3%の減を記録している。

鉱業および採石業には、全労働人口の2.5%(92年)が従事している。

石炭、鉄鉱石、銅、マンガン、鉛および亜鉛の埋蔵があり、石油は黒海で採掘されている。石炭(亜炭を含む)の生産量は、96年には3,130万トンに達した。

1986年に、ブルガリアと旧ソ連を結ぶガス・パイプラインが完成し、ロシアから年間33.4億m3のガスをブルガリアに供給することが調印されている。

ブルガリアの鉱物資源は、銅、鉛および亜鉛を除いて極めて乏しいが、金属は国内需要を満たして輸出余力もある。

石炭の埋蔵量は45億トン程度と推定されているが、その90%以上は亜鉛である。

石油および天然ガスの産出は極めて僅かなため、燃料は旧ソ連からの輸入に大きく依存している。

 

 

 

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