日本財団 図書館


しかし、92年のフロート制への移行以来、クローネの価格が大きく下落した結果、輸出部門の競争力が強化され、94年にはプラス成長3.3%、95年3.9%と高い伸びを記録したが、96年は1.3%、97年は1.8%の伸びに止まった。

高い失業率(98年6.5%)は依然として大きな課題として残っている。

世界銀行の推定によれば、1996年のスウェーデンの実質国民総生産(GNP)は、1994〜96年の平均価格で算定すると2,273億1,500万ドルであり、これは1人当り25,710ドルに相当する。

1990〜96年の期間における1人当りの実質GNPは、年率0.2%の割合で減少しており、同期間における人口は年率0.5%の割合で増加している。

スウェーデンの実質国内総生産(GDP)は、1980〜93年の期間に年率1.7%の割合で増加しているが、1991〜93年の期間では2.0%、94年は3.3%、95年は3.9%の増加となっている。

農業部門(牧・林・漁業を含む)は、1995年GDPの2.5%(うち林業分野は1.5%)を寄与しており、労働人口の2.9%がこの部門に従事している。

主要農産物は、酪農品、肉、穀物、ポテト等であり、主として国内消費に向けられている。

国連FAOの調査統計によると、スウェーデンの国土面積の約70%は森林地帯であり、農業に利用されている面積は、国土全体の僅か8.7%(88年)に過ぎない。

1995年における林業生産高(木材、パルプ、紙)は、商品輸出総額の16.8%を占めてしいる。

農業部門のGDPは、1980〜90年の期間に年率1.5%の割合で増加したが、1990〜96年の期間では1.3%の減少となっている。

スウェーデンの農牧業は低調であり、僅かに大陸性気候に恵まれた南部地方の肥沃な低地帯が耕地として利用され、主として麦類を栽培し、酪農を行っているに過ぎない。

森林資源には恵まれており、松、樅などの針葉林が全土の約50%を占め、森林面積と木材伐採高は、共に欧州最大である。

このため、製材・パルプ・製紙工業が盛んであり、それらの輸出量も多い。

工業部門(鉱業、製造業、建設業および電力業を含む)は、1996年のGDPの33.7%を寄与し、労働人口の26.1%がこの部門に従事している。

1980〜90年の期間に、工業部門のGDPは年率2.8%の割合で増加したが、91年には3.9%、92年は0.8%の減少となっている。

工業部門の生産高は94年、95年ともに10%の増加となっている。

鉱業は、1995年のGDPの0.3%を寄与しており、労働人口の0.3%がこの部門に従事してしいる。

主要鉱産物は鉄鉱石であるが、ウラニウム(全世界推定埋蔵量の約15%)、銅、鉛、錫なども採掘されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION