スウェーデン
(1) 一般事情
スウェーデン王国は、欧州大陸の北部、スカンジナビア半島の東半部を占め、北西部および西部はノルウェー、北東部はフィンランドと、それぞれ国境を接している。
東部はバルト海およびボスニア湾、南西部はスカゲラック海峡およびカテガット海峡に面している。
国土面積は449,964km2(日本の1.19倍)で、国土面積の8.6%は大小約84,000以上の湖沼で占めており、また国土の半分以上が森林地帯である。
気候は大陸性気候で、冬は沿岸や河川・湖沼が氷結する寒さであるが、メキシコ暖流の影響で緯度の割に比較的温暖である。
結氷期間は北部で10月から5、6月、南部で11月末から4月である。
国土の7分の1が北極圏の中にあり、最北地帯は真夜中に太陽の輝く地帯で、5月中旬から7月末までは太陽は沈まない。
人口は885万人(97年央)で、うち首都ストックホルムが72.7万人である。
人種は、スウェーデン人(99.6%)、フィン人(約2万人)、ラップ人などであり、言語の公用語はスウェーデン語である。
宗教は、キリスト教の福音ルーテル教が95%以上を占めている。
スウェーデンの経済を支えているのは、地下資源、特に鉄鉱、水力発電である。
これらの資源が豊富なため今世紀に入って急速に工業化が進み、スウェーデンは北欧最大の工業国となっている。
スウェーデンは、国土の半分以上は大森林であり耕地は10%に満たないが、近代工業の発展に不可欠である鉄鉱石、製紙・製材・パルプ工業に必要な森林資源、エネルギーの中心である水力発電などの豊富な天然資源に支えられて産業は発展を遂げ、今日では高度の工業力を有する先進国となっている。
現在、スウェーデンの内政の課題は失業率改善と財政再建であり、失業率は90年代に入り上昇、政府は諸施策を実施しているが、失業率の改善は遅れている。また、財政赤字削減のため、政府支出を減らしている。
なお、99年からの欧州経済通貨同盟へは国内、与党内の意見調整ができず、現在は不参加を決定している。
一方、外交では欧州統合への積極的参加、軍事非同盟政策、国連との協力重視、国連を通じた国際平和維持協力、他の北欧諸国との協力推進を基本方針としている。
スウェーデンの経済は、89年以降の緊縮財政政策により、国内消費の落ち込み及び投資の低下を招き、90年に入り景気は後退した。
91年から3年連続マイナス成長を記録し、93年には失業率が8.2%にまで上昇した。