造船産業は二つの省(国防省と漁業省)とベトナム造船産業公社(VINASHIN)の監督下にある、と同代表は指摘した。次いでVINASHINの最近の新造工事の概況と統計が示された。産業の発展については、政府の助成政策が説明された。また、港湾能力、特に将来の精油事業の発展を考慮して、乾貨物と液体貨物の取扱い能力の改善など、将来に向けて開発が必要とされることが指摘された。技術とマーケティングに関しては、老朽船舶のグレードアップの必要性から、投資の必要性が指摘された。また経営面でも改善が必要とされることを、同代表は明らかにした。国際協力については、合弁事業、すなわち現代・VINASHINについて触れた。将来の展望として、ベトナムは造船の分野における発展を望んでいる。
質疑
日本代表:VLCC修繕ドックについて。どこまで進んでいるのか。すでに完成、あるいは稼働中か。
答:今年4月に稼動を開始した。現在はタンカーを数隻修繕している。新造工事をいつ開始するかは知らない。
日本代表:寸法とトン数は?
答:既に20隻の修繕を行った(中には150,000DWT型のものもある)。
日本代表コメント:修繕と言われるが、修繕業が成り立つには主要な航路に隣接していることを必要とする。貴国の場合、VLCC等大型外航船の航路から少しはずれているので、どの程度、修繕船が受注できるか興味があった。それで、このような質問をしたわけだ。
インドネシア代表:ベトナム代表に国内造船所で建造される船舶についておたずねしたい。この資料では1,400DWTの貨物船とか、3,500DWTのタンカーなどが載っているが、そのための材料や機器、鋼材も含めて、今なお輸入しているのか、それともベトナムはすでに造船用鋼板を自給できるのか。
答:わが国では船舶を建造しているが、大抵の資機材、主機関や補助機関などは輸入しなければならない。鋼材にしてもほとんど100%輸入に依存している。ただし、その他の建設用の鋼材は若干国内生産しているが、その量は大したものではない。それでも造船用の資材も若干はベトナムで生産できる。すなわち現時点で造船用の資材で国内で調達できる分は20%強である。
インドネシア代表:ディーゼル機関や電気機器の組立て、生産ではなく組立ては行われているか。
答:組立てはやっている。一部の部品は輸入しなければならないが、組立てはもちろんベトナム国内で行っている。
シンガポール代表:現代・VINASHIN造船所について、もう一つ質問したい。新造船所で現在すでに供用されいる設備はどんなものか、また今後5年間にどんな設備の新設が予定されているか。