シンガポールの造船所は98年に過去最大の自社設計船として、30,000DWTの浅喫水プロダクツ・タンカーを引き渡した。シンガポールはジャックアップ型リグの新造と大水深向け、半没水型の改造では大きな地位を占めようとしている。
シンガポールの造船事業がこのような成長を遂げているために、舶用機器製造(航海機器、機関等)、特殊下請事業(精密加工、機器修繕、分解整備等)など強力な支援産業の発展に寄与し、その結果シンガポールは海事産業の主要な中心地となっている。シンガポールの海事産業の将来の展望について同代表は、競争力を維持するために構造改善努力が絶えず続けられていることを示唆した。技術開発と革新、ニュー・ビジネスの創出の面で、世界の海事産業界との新たなパートナーシップが常に求められている─Jurong ShipyardとSembawang Shipyard、Keppel ShipyardとKeppel Hitachiの合併などはその好例である。
タイ
タイ代表団はまず、バーツの下落に端を発した1997年の経済危機によりタイが打撃を受け、国内造船業もそれに伴なって問題が生じたことを指摘した。そのため、抱えている諸問題について慎重に解決策を図らなければならない。一つの解決策は、国王陛下の哲学に基づく「自給自足経済計画」で、これはニッチ市場をも対象としたものである。
能力過剰に対処する方策として、同代表はタイ造船業の構造改善と将来の展望について、3分野、すなわち製品、プロセス、設備を挙げた。製品の範曙では、タイ造船業は漁船に特化し、自国の低賃金の熟練労働者と二つの重要な市場(米国と日本)に対して有利な位置にある地の利を活用して、40,000隻以上も現存する木造船を鋼船やプレジャー・ボートに転換する。タイを食糧と娯楽の面で世界の中心にしようというビジョンが強調された。プロセスに関しては、造船業構造改善計画が2000年1月から実施に移される。設備に関しては、Chao Praya川沿いの小規模造船所を造船工業団地に移転する計画が進行中で、これにより効率向上、コスト競争力の確保、品質改善が見込まれる。最後に同代表は、カルテルを認めてはならず、タイ、その他の諸国の協調が進むことを願っていると述べた。
短い休憩:3:00-3:15
べトナム
ベトナム代表は、長い海岸線に恵まれたベトナムの地の利を指摘した。同代表は、この恵まれた位置からして、成長の可能性が見込まれると述べた。現状に関しては、ベトナムは1996年以来「ドイモイ」政策を実施中で、これが経済発展に新たな動機付けを与えているという。