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現在のところ造船分野ではリストラ策が何ら実施されていない。現代重工業は、他の建設部門を拡張したり子会社を統合したりして、造船部門の比重を引き下げようとしているが、他社では現時点で何ら具体策を講じていない。原則として輸出入銀行が返金保証を与えるには有効な担保が必要とされる。しかし信用度の高い企業であれば、銀行は無担保で保証することができる。経営基盤が弱く信用度も低い企業に返金保証を与える場合には、銀行は担保とか、他の金融機関の返済保証とか、保険会社の輸出保険契約などを要求する。銀行は通常の場合よりも高額の保証料を要求する。

インドネシア代表:2ページについて質問したい。2ページの最後の文章で、韓国はすでに約2年分の手持工事を確保したとあるが、これについて2点質問したい。第1に国内船と輸出船の比重はそれぞれどのくらいか、第2に、韓国の設備能力は向こう2年間すでに一杯で、空きがない、そういう風に理解してよろしいか。

答:輸出船受注が95%以上を占めている。

1998年の竣工量をご覧頂けば、合計8,635,000GTとある。これは竣工量で、4ページの数値は19,058,000GTとある。つまり竣工量の2倍に相当し、したがって約2年、あるいはそれ以上の手持工事量ということになる。

 

議長

議長が午前の会議の閉会を宣言した。時間の制約がきびしいので、午後の部に向けて早めに戻って欲しいと、議長は各国代表に要請した。

 

午後の部

冨士原議長が国会に出席を求められたこと、宮村氏が午後の部の議長を務めることを同氏が報告した。

 

マレーシア

マレーシア代表団はプレゼンテーションの冒頭で、マレーシアの造船業が未だ幼児期にあることを指摘した。第1表を参照し、建造船舶数が年とともに増加していることを報告した。マレーシア代表は、設備、事業の性格、投資、補助的サービス、その他、マレーシア造船業が直面しているいくつかの問題、課題を挙げた。また建造能力が業界が直面する基本的問題であることを述べた。マレーシア政府の支援については、業界にとって強力な政府支援が重要であり、各国において多数の造船企業が何らかの政府支援を受けていることを示す、第3表に言及した。マレーシアにおける造船業の将来の方向として、同代表は計画が必要であること、また生産性と事業遂行について、造船業界がベスト・プラクティスを採用しなければならないことを指摘した。

 

 

 

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