自動化、生産性向上、リストラにより、当面この減少傾向が続くものとチョイ氏は予想している。韓国では98年末現在、舶用機器メーカーが188社あり、韓国舶用機器工業会の会員企業の総従業員数は約55,900名に上る。技術開発についていえば、韓国では現在、船舶の設計と建造に最新鋭のコンピュータ・システムが利用されていることが指摘された。また韓国造船技術研究研究組合、韓国船舶海洋工学研究センター(KRISO)、その他造船各社が、造船技術向上のために船舶の操船性能、次世代船舶等にの研究に取り組んでいる。
質疑
日本代表:韓国代表の説明では、現代尾浦は修繕船となっているが、我々が承知しているところでは、現代尾浦はすでに新造船にも取り組んでいる。そう考えてよろしいか。当方の理解で正しいか。
答:1ページの第1表をご覧頂ければ、KSAの会員である現代尾浦は新造船、修繕船、改造船を行っている。現代尾浦は1996年に新造船を開始した。
日本代表:先ほど中国代表にも新造船設備の拡張についておたずねした。韓国でも1995年大幅な設備の新増設が行われたと聞いているが、それに対して西欧諸国や日本を始めOECD加盟国から批判が行われた。すなわち70年代の前半に建造されたVLCCが老朽化し、代替が必要となったため、一時的にこの種の船舶の建造が増加したが、中長期的な需給の観点からすると、新造船設備の能力を急激に拡大すると、将来において深刻な供給過剰が生じることが明かであり、したがって設備の新増設には慎重を期すべきであるという警告を行った。にもかかわらず、韓国の造船各社は設備を拡張した。その結果、2000年以降に能力過剰が懸念されている。こういう状況の下で、漢拏重工業や大宇重工業などの造船企業は経営困難に陥っている。その点について我々が各種のメディアを通じて聞くところでは、韓国社会と韓国政府は自国の造船企業が操業を続けられるように支援を与えている。そういう風に聞いている。当然、すでに存在している設備が生き残れるように操作すれば、何らかの問題が生じるに違いない。私企業は互いに自由に競争すべきものであり、したがって経営に失敗すれば、自然淘汰されるが、自社の経営能力次第ではまた回復する場合もある。しかし最近聞くところによれば、造船企業が破綻すると、公的な金融機関が金融支援を与えるという。これでは、やがてまた別の韓国造船企業が困難に陥り、また支援を受け、そういうことが延々と繰り返されることになる。この供給過剰の引金となったのは韓国の設備増強である。そして健全な経営ができなくなった企業は、私の考えでは、政府の援助により生き残らせてはならず、業界からきっぱりと撤退すべきである。あなたのお考えはどうか。
答:私の承知しているところでは、造船業界の首脳は能力過剰、船価の低迷、過当競争を認識しているようで、私の見るところ、これらの問題を克服しようとしている。韓国政府は大手企業の経営基盤を健全化するために、借入比率を年末までに200%未満に引下げさせようとしている。