中国代表が「業界の反応はどうか」と質問されたが、簡単に言えば造船各社はかなりクールで、現状をそれなりに受け止めるというところだ。商社や金融界はどうかというと、多かれ少なかれこの報告を支持している。造船各社は、これを実行に移すとなれば、多くの痛みを伴うことを知っているからだ。日本政府としては造船会社を支援するために補助金を出す考えは全くなく、この方向に向かって欲しいと願うのみで、援助をする意図は全くないので、これは造船企業が自ら克服すべき大問題ということになる。これが私の認識であり、また日本政府の認識でもある。
インドネシア代表:日本の船舶整備公団が構造的に改革されるという話を聞いたが、この改組について、新しい船舶整備公団はどういう風に運営されるのか、ご説明頂きたい。船主が公団を通じて船を購入する場合、どんな便宜が図られるのか。これが第1の質問で、第2の質問は、1994年のOECD造船部会の協定についてで、この協定はすでに米国の批准を得て発効しているのか、そうでないとすれば、この協定は今どんな状況にあるのか。またOSCCの造船経営管理セミナーの研修計画について、わが国では前々から日本政府に参加者数を増やして頂くようにお願いしてきた。我々の見るところ、現在の人数では少な過ぎ、すぐれたセミナーなので、できればもっと定員を増やして頂いて、もっと多数の参加者を送れればと願っている。
答:まずOECD造船協定については、答は非常に簡単で、昨年セブ市でご説明したと思うが、1994年12月に協定は採択された。日本は韓国、西欧諸国、ノルウェーとともにこれを批准し、さらに米国も批准していれば発効したところであるが、現在のところ、米国がまだ批准していないので、発効に至っていない。もとより日本としてはこの協定が発効して欲しいが、残念ながらまだ発効していない。そして第2の質問、海外造船協力センターが主催しているOSCCセミナーについてだが、現在OSCCが実施するセミナーについては全面見直しが行われているところで、JICA資金を使ってOSCCが主催するセミナーについて、現在、OSCCからJICAに提案しJICAが検討しているところである。いずれにせよJICAがそのための予算を申請しなければならず、予算が承認されれば、OSCCに資金が供給されることになるが、現在のところ、この見直しについて結論が出ていない。来年以降の参加者数については、現時点で申訳ないが私としては何ともお答えできない。インドネシア代表は昨年もセブ市で、参加者数を増やして欲しいという、同趣旨の要請をされ、もちろん私も記憶している、忘れてはいないが、現時点では明確な回答を差し上げられない。
インドネシア代表:船舶整備公団については?
この船舶整備公団は改称されて、現在は運輸施設整備事業団となっている。したがってその役割も拡大された。船舶だけでなく、鉄道、その他の施設も対象となり、したがって役割は大幅に拡大されている。