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冨士原氏は提案された議事日程の討議を要請し、議事日程は承認され、そこで議題Iの討議を参加者に要請した。

議題I. 造船・舶用機械工業の現状と展望

中国

中国代表団は、中国船舶工業集団公司(CSSC)がまとめた報告を発表した。このプレゼンテーションの第I部は造船業の現状の報告で、中国造船業が、22省に総計408ヵ所の造船所、修繕船工場を擁し、265,100名を雇用する一大総合産業に発展したことを指摘した。中国代表はまた、大連、広州、上海が造船の三大中心地となっていることを説明した。同代表は、鋼船の建造が着々と拡大し、1998年には建造量が310万トンを超え、世界の総建造量に5.7%のシェアを占めるまでに至ったと指摘した。さらに、中国が多年にわたり新造船、中古船を輸入し、輸入船が中国の外航船隊の70%を超えていることが指摘された。ただし、船舶輸出額も1998年には17億3,200万米ドルにまで伸びたことも明らかにされた。

中国代表はまた、構造改善計画が実施に移され、1999年7月1日に2造船グループ、すなわち中国船舶工業集団公司(CSSC)と中国船舶重工業集団公司(CSIC)が新発足したことを報告した。以前には中国造船業は国内市場に対象を絞り、先進国と比較して技術的に遅れていたことが指摘された。改革を通じて、より大型、技術的にも進んだ船舶が建造されるようになり、輸出船の大口成約もあった。さらにルジン・ツウ氏は、中国国務院が上海の浦東地区にWaigaojian造船所を建造する計画を承認したことを報告した─完成の暁には中国最大の造船所となる。最後に、アジアの経済危機と昨年の韓国ウォン、日本円の下落により中国の新造船受注は大幅に減ったが、それでもパナマックス、ハンディマックス型撒積船の需要増大により、中国の各造船所は2001年末まで繁忙が続くという見通しを明らかにした。ルジン・ツウ氏は、中国造船業が急速な進歩を遂げているとはいえ、日韓欧に比べればまだ遅れていて、生産性、経営、品質管理の面で改善が必要としていることを指摘した。結びとして同氏は、さらなる繁栄のために、アジア太平洋地域における一層緊密な造船協力に対する希望を表明した。

質疑

シンガポール代表:第1ページの第1表「造船業の統計」の最後の数値、総収入は327億1,500万人民元となっているが、これには修繕船収入も含まれているか、含まれているとすれば、その分はどのくらいか、含まれていないとすれば、昨年の中国修繕船事業の収入額はどのくらいか。

答:修繕船、新造船、その他の事業を含んでいる。

シンガポール代表:では修繕船の分はいくらくらいか。

 

 

 

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