Figure 4: The conventional look-sum spectrum (top-left), spectral sum spectrum (top-right), spectral phase shift (weighted cross-spectrum), and the contour plot of the cross-correlation function over the enlarged wave image in the Sanriku data.
ルック1と3のアジマス中心周波数の差をΔf=800Hzとしてスプリット・ルック処理を行ったので、ルック1と3間の時間差は式(3)より約1.12sとなる。生成されたルック1と3の画像を使って波浪方向スペクトルを測定するのだが、まず、SARプロセッサに起因する静止地域での画像間の位置ずれを確認するため、図2の陸域で黒枠部分の画像の相互相関をとった。空間周波数領域のウィンドウを2倍にしてサブピクセル補間を行い精度を2倍(1ピクセル=8m)にした相互相関関数を図3のに示す。スペクトルの最大値がアジマスとレンジの中心にあり(静止)陸域ではルック間の位置ずれはないことが分かる。数カ所で同様の相互相関をとり位置ずれの(伊豆データでも)確認を行った。
図4にある左上の図は従来の方法である「ルック加法」で得られた三陸データの波浪画像(図2左図の拡大画像)スペクトルで、同心円は外側からそれぞれ波長50m、100m、200mに相当する。このスペクトルから主波長約125mの海洋波がレンジ方向から約5°の方向にあるのは分かるが、進行方向は確定できない。図3の右上図は「スペクトル加法」を使ってスペックル雑音を低減しルック間の波浪移動誤差も修正されたスペクトルだが、ルック加法のスペクトルと同様、波浪進行方向は確定できない。左下図が、本手法(重み付きクロス・スペクトル)を使って得られた結果で、波浪進行方向のスペクトルが強調されている。図3の右下は、ルック間の相互相関関数で、相関度のピークが座標中心からレンジ方向に移動しているのが分る。2次のピークから波長も計測できるが、クロス・スペクトルと比べて解析精度が低下することはゆがめない。三陸画像の数カ所で波浪方向スペクトルを抽出したが、波長と進行方向に関する同様の結果が得られた。