ADEOS-IIの科学的目的は、(1)気候システムにおける水・エネルギー循環の定期的把握、(2)炭素循環に関わるバイオマス量と基礎生産の定量的推定、(3)長期的な気候変動シグナルの検出の三つに絞ることができる。
この中でも、(1)はADEOS-IIのミッションの特色で、GLIによる雲・水蒸気・エアロゾルの推定、AMSRによる水蒸気・降水量・土壌水分量・積雪分布・積雪量などの水分パラメータの推定、SeaWINDsによる海上風の推定、POLDERによるエアロゾルの推定、ILAS-IIによる極域のオゾン分布の推定などが、全球規模での水・エネルギー循環の定量的把握に役立つものと思われる。
炭素循環に関する基礎生産量やクロロフィル量の推定は、ADEOS-IIのもう一つのミッションの特色である。ADEOSのOCTSの発展の上に存在するGLIの持つ多チャンネルのデータや250mの高分解能の機能は、OCTSの成果を引き継ぎ、海洋バイオマス量、陸域バイオマス量、基礎生産量およびその変動の推定に有効に働くことであろう。また、ILASの成果を引き継ぐILAS-IIは、極域のオゾンや微量成分気体の鉛直分布を観測でき、成層大気化学の発展に大いに寄与できるものと考える。
ADEOS-IIは2000年11月にH-IIロケットにより打ち上げられる予定である。
5.14 海上風と波浪に関する科学的成果
衛星観測による海上風と波浪に関する研究論文のリストを巻末資料に掲載する。