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これらの衛星による観測データはさらに蓄積され、これらを用いた気象海洋の科学的研究や実用化研究は、今後さらに発展するものと推定される。最近では、日本が打ち上げたADEOSのデータを用いて、1997〜1998年のエルニーニョ現象による海上風と海面水温の時間変動が詳細に明らかにされたことが貴重な成果の一つである。

日本ではNASDA(宇宙開発事業団)が国立研究機関と大学の協力の下に、衛星観測技術の開発と衛星データを用いた科学的研究を推進している。しかし、これらの歴史はまだ10年程度と浅く、これからの発展が期待される。

マイクロ波センサを用いた地球環境の観測は、今後、自然災害の防止、気象海洋の監視、気候変動の監視を目的とする実利用面へ発展するものと考えられる。

 

次節以降に、海上風と波浪を観測するための地球観測衛星の概略を記す。

 

5.7 GEOSAT、GEOSAT Follow ON衛星

 

Geodetic Satellite(測地衛星)は米国海軍により設計され、5cm以内の精度で海面の高度を測定することができる。この衛星は1年半におよぶ海軍の機密任務の後に、1986年11月8日からExact Repeat Mission(ERM)を始めた。ERM任務はテープレコーダの故障のために1990年1月に終了したが、その間、3年以上の高精度の高度データが科学研究に利用できるようになった。この衛星の諸要素と概観は以下のとおりである。

表5.5 GEOSAT衛星の軌道要素と観測サンサ

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