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3. 海洋気候の予備的な解析

 

全球の海洋気候の状態を把握する手始めとして、海面水温の1911年から1940年までの30年間の平均値と1961年から1990年までの平均値とを比較した。まず「KoMMeDS-NF」と「COADS」を併せた新しい海洋気候データセットを作成し、C. K. Follandら(1995)の方法によりバケツ採水による測定誤差を考慮して解析を行った。

図5に近年(1961〜1990年)から50年前(1911〜1940年)の海面水温を差し引いた水温差の分布を示す。これによると、近年は20世紀前半と比較して、全球的に海面水温が高い傾向を示す。局所的には日本近海、北太平洋中央部、インド洋南部、オーストラリア東岸近海、南アメリカ東岸海域において、水温の上昇が顕著であることが示される。冬季では、日本近海を中心とする北太平洋北西部において、海面水温の上昇傾向が顕著であることが示された(日本気象協会、1999)。

 

20世紀前半と後半の差 海面水温 通年 単位:℃

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図5 1911〜1940年の30年間の平均海面水温を基準とした1960〜1990年の平均海面水温の変化

 

次に同じ海洋気候データセットを用いて、赤道海域の海面水温の長期変動解析を行った結果、過去一世紀間におけるエルニーニョ発生期間が特定された。気象庁ではエルニーニョを監視するため、太平洋赤道域にA〜Dの4つの海域を設定して、その海面水温の変動を監視している。

 

 

 

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