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また、1月の低緯度帯における気候ノイズは、高緯度帯に比較して小さい。これは、低緯度帯では気温の水平傾度や季節変化が小さいことに起因していると考えられる。年平均気温の気候ノイズはそれぞれの緯度帯における月平均値と同様な特徴を持っている。しかしながら、前者の値は後者の値よりも小さいので、長期間について平均したデータの気候ノイズは小さくなると言える。また、年平均気温についてBOXのサイズが気候ノイズに及ぼす影響を、1980年代以降のデータを用いて低緯度帯、高緯度帯それぞれについて調査した。その結果、低緯度帯に関しては2°BOXと10°BOXの気候ノイズがそれぞれ0.22℃、0.16℃であり、高緯度帯に関してはそれぞれ0.31℃、0.32℃であった。この結果からより広範囲のBOXデータの気候ノイズが必ずしも狭い範囲のそれより小さな値であるとは限らないと言える。

以上の結果より、一般に気候ノイズは観測通報数が多いほど、平均化時間が長いほど、また気温の水平傾度や季節変化が小さいほど、その値が小さくなる傾向にあると言える。

 

5. 陸上データと海上データの気候ノイズの比較

 

図2に示す5つの領域について、1950年〜1990年の月および年平均気温を用い、海上データと陸上データの気候ノイズを比較した。海上データとしては領域内におけるCOADSの2°BOXの内、期間中にデータの欠測のないBOXのものを採用し、陸上データとしてはWorld Weather Disk(1994)に掲載されている、領域内における海岸付近の観測点の内、期間中にほとんど欠測のない観測点のものを選択し採用した。

 

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図2 海上と陸上の気温データの気候ノイズを比較した領域。

 

図2に示すAREA1、AREA3、AREA5の3領域について、年平均気温の平年偏差の時系列を図3に示した。なお、ここでは各領域内に含まれるすべてのBOXデータおよび陸上観測データをそれぞれについて平均しており、平年値としては1961年〜1990年の30年平均値を用いた。図3より、ここに示した3つの領域すべてにおいて海上気温データは陸上データに比較して年々変動の幅が小さいと言える。

 

 

 

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