熊本県八代市妙見町、八代神社で十一月二二日・二三日に行われる秋の大祭。祭神妙見様が海の彼方より来臨された時、架空の動物『亀蛇』に乗っておられたという伝説が発祥の由来と言われています。見所は神輿を中心とした一キロメートルにおよぶ風流行列で、亀蛇の他に、数頭の花馬、中国から伝えられた獅子舞、大名行列の花奴、天狗、散米塩湯、大太鼓、金幣、神輿、大傘、飾馬(十二頭)、西王母・迦陵頻など様々な飾り物を屋根の上に乗せた笠鉾(十基)などの出し物があります。祭り当日、町は終日壮麗な行列に沸く見物客で賑わいを見せます。
尾鷲節(おわせぶし)
三重県尾鷲市
出演/尾鷲節保存会柳蛙会
尾鷲よいとこ、朝日を受けて、浦で五丈の網を引く…。三重県の代表民謡のひとつ尾鷲節は、古くから伝わる多くの民謡と同様に、由来はあまり定かではありません。大阪夏の陣に敗れた真田一族が尾鷲の里「野地殿」(現在の野地町)におちのび、その悲運を唄にあらわしたとも言い伝えられています。踊りは大正の初期に作られたものですが、昭和二四年に市内在住の勝見伊三栄師(現・坂東楽瞳師)が尾鷲観光協会の要請で振付を行い今日に至っています。昭和六十年からは、「全国尾鷲節コンクール」も開催され、哀愁と勇壮さを併せ持つ尾鷲節のファンが集まり日本一を決めています。