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御船神事(おふねしんじ)

静岡県榛原郡相良町

出演/大江八幡宮御船神事保存会

県指定無形民俗文化財

 

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一七一八年(亨保三年)、今から二八一年も昔、大江八幡宮の例祭に廻船問屋が中心になって航海の安全と商売の繁盛を祈願して始められたのが「御船神事」です。八月十五日の朝、大江八幡宮拝殿前で、桧垣船、樽廻船の二雙の精巧な模型の船の上に木遣歌とともに柱起しがされ、帆上げが行われます。出港準備が整うと、二雙の船が神輿の先導を行い、またその後には伝馬船二雙が続きます。桧垣船、樽廻船はニメートル以上、重さ七十キロもあり、船若と呼ばれる若者たちが担ぎ、一日中町内をおねり唄にのって荒波を行くように練り歩きます。その様は、観ている人まで力が入り疲労困憊するほどの勇壮さです。

 

上野(うえの)の獅子舞(ししまい)

和歌山県西牟婁郡大塔村

出演/上野の獅子舞保存会

県指定無形民俗文化財

獅子舞の起源は江戸時代に溯り、単なる神賑わしの行事ではなく、厳粛なる神事として村人の平安と五穀豊穣を祈るものとして重視されています。神前における作法が厳しく、またその時の拝し詞が代々他言禁止となっています。

 

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平戸田助(ひらどたすけ)ハイヤ節(ぶし)

長崎県平戸市

出演/平戸田助ハイヤ節保存会

古くより中国、朝鮮、オランダなど、海外貿易の要衝として栄えてきた平戸は、漁業の要衝としての顔も持っています。現在平戸市内には、二十六の漁港があり、その数は全国の市町村の中で日本一を誇ります。そんな漁師の町・平戸に生まれ、今も歌い継がれている民謡が全国各地のハイヤ節のルーツとも言われる「田助ハイヤ節」です。「田助…」の名は、この唄が江戸時代の中頃、帆船の風待ち港として栄えた田助港に出入りする船員の間で唄われ始めたことに由来しています。最近では田助ハイヤ踊りもでき、毎年八月に行われる「平戸田助ハイヤまつり」で披露されています。

 

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