Sep. 1999 Jour. Japan Soc. Mar. Surv. Tech.
1968年4月以降のデータについても、1969年から1970年の期間の観測野帳には、塩分の記載がなく野帳との照合はできなかった。観測あるいは分析の方法にも種々の変遷がある。1970年以前の塩分資料は、観測野帳を初め、一般に塩素量で記載されている。塩分で表記され始めた時期は、各都道府県水産試験研究機関にAuto-Lab社のサリノメータ等が導入された時期に一致している。1985年以前の水産庁フォーマットでは、測定された観測層の値と、標準層への内挿値の両方が記載されているが、1986年以後のPODフォーマットでは、そのいずれか一方を報告するように簡素化されている。岩手県水産技術センターでは、1990年からNeil Brown社のCTDが導入されているが、CTD導入の1年前の1989年から、標準層の値が報告されるようになった。
クルースの設定と船速チェック(観測位置・観測時刻チェック)
観測位置や観測時刻等のヘッダー情報をチェックするのに、船速チェックが非常に有効である(永田、1999)。そのためには、データをクルーズ毎に分けて整理しておく必要がある。1973年から1995年にいたる岩手県水産技術センターの観測状況をFig. 2に示す。各クルーズの開始日(黒丸)と終了日(白丸)を図に示してあるが、観測間隔が5日以上になった時、新しいクルーズが開始されたとして、個々のクルーズを特定した。このような方法を取ったのは、一般に各県水試での観測航海が月を跨ぐ形で実施されることが少なくなく、暦上の月で整理することが出来ないことによる。