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黒潮大蛇行の前駆現象としての小蛇行

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Fig. 7 Same as in Fig. 3 except in the period from July to December, 1989.

ここで注目すべきは、東縁が室戸岬から潮岬に達するようになった引き伸ばされた蛇行の東西幅は、遠州灘沖の黒潮大蛇行の幅に優に匹敵する規模となっていることである。四国沖でくびれを生じて小蛇行が新たに分離される以前では、蛇行の沿岸寄りにある冷水域の西縁は九州東岸の海岸線そのものと見ることも出来よう。これまでの議論で「小蛇行西縁は殆ど移動しない」としたが、これは都井岬沖での小蛇行の「上流側の縁」と取る方が正確であろう。この部分はむしろ真東に流れており、「東縁の東縁」はこの「東流部分の長さが室戸岬の南方まで伸びていく」ことに伴っての「北上流の位置の東進」と考える事も出来よう。しかし、ここでは従来の「小蛇行の東進」との対比のために、西縁は殆ど動かないと言う表現をとっている。

 

 

 

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