1次元のハンケル変換はスカラー距離r=|x|とスカラー波数k=|k|にのみ依存する等方的な関数に対して使われる。
・式(2)の定式化において地形h(x)は領域の一定な深さdから測定された海底の地域的な凹凸として定義される。
・Paker(1973)は正確な関係は非線型なので式(2)は近似的にしか成り立たないことを示した。例えばhがdより十分小さい場合は良い近似である。本研究ではこの線型近似を採用し、その水深予測を評価する際の限界についても議論する。
・flexualアイソスタシー補償理論では海底地形hは薄い弾性リソスフェア上の荷重として作用する。リソスフェアは荷重に対し、線型かつ空間的に不変で等方的な様式に従って曲がる。
・重力場g(x)は直接的な地形の効果とそのアイソスタシー補償の総和である。
・地形荷重の波長がリソスフェアの曲げ波長より十分に短い場合、アドミッタンス関数が非補償モデルによって与えられる。
Z(k)=2πΓρ exp[-2πkd] (3)
ここで
d:領域の深さ、ρ:海水に対する海底の密度、Γ:ニュートン重力定数また、2πΓρはブーゲー定数である。
・波数の増大に伴う指数関数的な減衰は「上方接続」として知られている。図3に曲線で示す。
・非補償な円錐形海山(高さ2km、直径60km)による重力異常を図4に破線で示す。
・Zの指数関数的減衰は平滑化フィルターとして作用する。そのため、地形の鋭いエッジは重力プロファイルに現れない。また、重力異常のピークは地形のピークの2πΓρ倍より小さくされる。水深予測問題においてはこの平滑化は不安定になるので行わないようにする必要がある。
・地形の荷重の波長が曲げ波長に相当するか上回る場合、モホロビチッチ不連続(モホ)m(x)のダウンウォーピング(地殻の緩やかな下方への曲がり)に起因する荷重の下ではプレートが湾曲する。プレートの湾曲が曲げ波長よりも十分に小さく、プレートが非弾性的な反応をしないと仮定すれば、モホ面の湾曲は別の線型な等方的フィルターによって地形の荷重に関連付けられる。(Banks et al.,1977)
M(k)=-(ρ_c-ρ_w)/(ρ_m-ρ_c)H(k)Φ(k) (4)
ただし、
Φ(k)=[1+(λk)**4]**(-1) (5)
ここで、
(ρ_c-ρ_w):海水に対する海底の密度差。
(ρ_m-ρ_c):地殻に対するマントルの密度差。
λ:曲げ波長。Φ=0.5の時の波長。
・λより十分に長い波長では地形はエアリー的に補償される。λより十分に短い波長では地形は補償されない。このモデルのアドミッタンス関数は
Z(k)=2πΓρexp[-2πkd]{1-exp[-2πkc]Φ(k)} (6)
ここで
c:平均的な地殻の厚さ(7km)、ρ:(ρ_c-ρ_w)