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3] 測深データの割当てられなかった格子点について、in tensionな連続の高次スプライン関数で補間する。tensionの値は「1」で、調和スプライン関数に相当する。

・この手順で音響測深によって制限された格子点は初期値を持つ。また、調和スプライン関数は初期値を持つ格子点でのみ局所的な極大・極小の値を持つので、結果として、格子点データには丘や谷は船舶データから要求されるところにのみ現れる。

・このグリッド化作業の間、陸上地形はETOPO-5で固定した。

・重力データセットはSeasat、Geosat、ERS-1のレイダー高度計による海面データから導出された。

・重力データの解像度は衛星軌道間隔(2〜4km)に依存する。

・重力データのノイズには等方性(方位角によらない)を仮定した。

・重力グリッドのRMS誤差は3〜5mGal。船舶観測重力データとは波長20km超で高い相関を示す。また、船舶音響測深データとは波長26km超で高い相関を示す。

・重力グリッドは水深初期値グリッドと同じに構成された。

 

アドミッタンス理論

・flexualアイソスタシー補償理論は上述の海底地形推定手順で様々なローパス、ハイパス、バンドパスフィルターの設計の際に使用された。

・フィルター設計の元となる理論は重力と地形のフーリエ変換の項について開発されている。

・本研究ではフィルターの最長カットオフ波長が160kmと地球半径より十分に短いので、地球を平坦とする近似を用いる。

・本研究のグリッドは緯度と経度で同じ間隔を用いている。そのため、セルの東西方向の長さは緯度によって変化する。この緯度依存スケールを適切に取り扱うために、本研究では以下の手順を踏んだ。全てのフィルタリングと下方接続はこの様式で実行された。

1] 南緯30〜70度の範囲をもっと小さな重複する帯に区切る。

2] それぞれの帯にコサインウィンドウ処理をする。

3] それぞれの帯の正しいスケールでFFTによるフィルタリング処理を行う。

4] 最後に帯を結合する。

・水深予測フィルターの設計は文献では重力「アドミッタンス」として知られるZ(k)の理論的及び経験的研究によって動機づけされている。

・Z(k)は線型、等方的、空間的に不変なフィルターの伝達関数であり、地形の場h(x)を入力とし、重力場g(x)を出力する。フーリエ変換領域では以下のように表記される。

G(k)=H(k)Z(k)   (2)

ここでは2次元フーリエ及びハンケル変換に関してBracewell(1978)の定義を用いる。

H(k):h(x)のフーリエ変換。xは[x,y]。kは[u=1/λ_x, v=1/λ_y]。

Z(k):z(r)のハンケル変換

 

 

 

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