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○本格的24時間化に向けての取り組み

サービス時間の弾力化については、当面は上記の方策により柔軟な対応を図っていく必要があるが、将来的にはやはり海外の主要港湾で行われているように、通年フルタイム稼働の荷役体制を構築し、いつでも需要に対応できるサービス体制を構築していくことが必要と考えられる。

アンケート調査では、荷主企業、外航船社、利用運送業から共通して、夜問・日曜荷役等、現在の港湾運営体制に関しては、釜山港よりも劣っていると指摘されたのみならず、内航フィーダー輸送の相手港からもスケジュール面で影響を及ぼしているといった声が聞かれる等、神戸港の悪いイメージが定着している。

このような状況を鑑み、神戸港全体で24時間化に取り組んでいく必要がある。

 

2] リードタイムの短縮

神戸港の最大の優位性である多様な航路、充実した配船スケジュールを生かし、西日本の貨物を広く集めていくためには、西日本各地で整備・充実される諸港の配船スケジュールの合間を埋めていく集荷活動が求められる状況となっている。

また、近年は荷主企業においては、在庫削減の徹底した取り組みや、機械製品等では製品のライフサイクルの短縮化が一層進展していることから、輸送に係る時間短縮に対するニーズは高まりつつある。

そのため、神戸港内航フィーダー輸送においても、総所要日数を削減するといった観点からリードタイムの一層の短縮を図り、神戸港の利便性を高めていく必要がある。

なお、輸出コンテナの場合、本船積みの前日までにヤード内に持ち込むことが定められており、内航フィーダー船の航行速度を現在以上に高めることは求めるところではないが、通関等に関する諸手続きの迅速化や、航路ネットワークの充実等により、内航フィーダー利用の時間面での優位性を高めていく方策が考えられる。

《提言》

○航路ネットワークの充実

○情報システムの積極的活用

○通関予備審査制の活用

 

○航路ネットワークの充実

内航フィーダー輸送は、ロット輸送に適した大量輸送機関であるが、小型船によるきめ細やかなサービスを身上としている。このような運営形態は神戸港までのリードタイムの短縮化を図る上で、有効であると言える。

今後は、需要動向を睨みながらではあるが、共同運航の可能性も勘案しつつ、一層の航路開設や便数の拡大により神戸港の利便性をさらに高めていくことが期待される。

 

 

 

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