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一方、内航海運事業者サイドは、集約・協業化に対しては必ずしも積極的ではなく、アンケート結果で見るとおりむしろ否定的な考え方を持つ事業者が多い。

そのような考え方を持つ理由としては、内航海運事業者の経営意向や財務内容などにかなりのバラツキがあることから、集約・協業化しても必ずしも事業者の利害が一致せず、その調整が困難であり、また、特に個人事業主については、「一国一城の主」(事業の全てが自分個人の所有物)という意識が強く、集約化・協業化になじむ体質にないということが考えられる。一方、こうした困難を乗り越えてまでも集約化を図るメリットが大きければ、集約化が進む可能性はあるが、集約化により経営基盤が強化され、利益が上がると考えている事業者はあまりいないようである。それは、現在唱えられている集約化のメリットについては以下のような疑問・反論を持つ事業者が多いためと思われる。

 

表5-4. 集約・協業化のメリットとそれに対する評価

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出典:事業者アンケート及びヒアリング結果

 

 

 

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