日本財団 図書館


4) 内航海運事業者の事業継続意向及び協業化意向

1] 事業継続意向

内航海運を取りまく環境がますます厳しさを増すなかで、中小零細な貸渡事業者の中には事業経営意欲を失いつつある者が見られる。

アンケートの中で、今後の経営方針の一環として内航海運事業からの転廃業意向を質問したが、これに対し貸渡専業者の45%が転廃業したいと回答している。ただし、その中の44%は「転廃業したいが、いろいろな事情があってできない」という事業者である。運送事業者の転廃業意向率は17%、貸渡・運送兼業者では8%と低くなる。貸渡業のうち一杯船主について見ると、転廃業意向は51%となり、ほぼ半数の事業者が内航海運事業から撤退したいと考えている(図2-46.)。

 

図2-46. 内航海運事業からの転廃業意向(アンケート結果)

 

<業態別>

045-1.gif

 

<一杯船主>

045-2.gif

 

転廃業意向はあっても、転廃業できない事業者が多いが、転廃業できない最大の理由は「転廃業しても借金が残るだけだから」であり、転廃業意向のある貸渡専業者のうちの79%、運送専業者のうちの71%を占めている(図2-47.)。内航海運暫定措置事業の解撤交付金よりも借入金のほうが多いため、解撤しても借金が残ることになり、事業を止めることができない事業者が一杯船主を中心としてかなり多いと考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION