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4] 企業間連携の推進

以上の様な課題解決に向けた取り組みは、新たな投資を伴うものもあり、中小企業が多い物流業界ではなかなか難しい面も多い。また、物流コストの削減や離なサービス提供は、可能な限り貨物量を集めることが極めて重要なこととなる。

そのため、今後は企業間の壁を超えた連携体制が求められる。

例えば、本州側と四国・淡路側との連携という視点では、貨物情報の連絡を高め、行き帰りの貨物を相互に確保し、輸送効率及び積載効率を高めていく取り組みが求められる。

特に、比較的規模の小さい物流事業者が多い四国・淡路側では、本州側との競争力を高めるため、混載の推進による輸送効率及び積載効率の向上、共同化による事業規模の拡大等の取り組みが求められる。

5] 労働環境の改善

多頻度小口輸送の拡大や、物流拠点機能の強化によるサービスの高度化は、労働サイドから見れば、時には業務量の増大や複雑化を招く恐れがある。

また、フェリー利用から明石海峡大橋利用へと転換が加速することは、ドライバーの負担増にもなりかねない。

そこで、このような点を踏まえた労働環境の改善にっいても併せて取り組んでいく必要がある。

6] 多様な輸送ルート・輸送機関の選択性の確保

現在、生鮮食料品や時間指定貨物など、時間的価値感を求める輸送は架橋ルートを利用し、コスト負担の低減だけでなくドライバー負担の軽減を求める場合や大量貨物の輸送を必要とする場合はフェリーや内航船といった海上輸送を利用する、というように貨物特性や輸送の諸条件によって物流事業者は輸送ルートや輸送機関を使い分けている現状がある。

このように多様な輸送ニーズに対応するため、物流事業者は状況に応じ、モーダルシフトの推進をはじめとする適切な輸送ルートや輸送機関の選択をしていく必要があると同時に多様な輸送ルートや輸送機関の選択性を確保していくことが必要である。

7] 環境問題への対応

過度の多頻度小口輸送は、排ガスや騒音の増大やエネルギー問題等の環境問題を拡大することが懸念されることは述べたが、これに加え、本四間の幹線道路における通過交通量の増加による周辺環境への影響等も考えられるため、環境問題については積極的に対応していくことが、社会的責務として運輸産業に求められる。

このような点からも、マルチモーダルによる多様な輸送手段を適切に使い分けていくことが必要である。

 

 

 

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