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図5 徳島市を出発地点とした2時間圏の変化

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3] 交通パターンの変化

架橋開通前の主な海峡横断交通機関であった船舶と比較して、本四架橋の特徴としては、単なる所要時間の短縮に加え、船舶出航待ち時間の節約、欠航によるスケジュール変更の回避等による輸送の安定性の向上などの効果も挙げられる。石材や工業原料など、単価の低い物を大量に輸送する場合は、依然として船舶がコスト面、環境リスク管理面などで有利な場合もあるが、生鮮食料品や緊急の貨物などでは本四架橋を用いた輸送によるメリットは大きい。

また、このように貨物の品目によって機関分担がなされるだけでなく、上記の種々の要因によって誘発される貨物も、瀬戸大橋、明石海峡大橋の両者で見られる。

●瀬戸大橋開通前後における交通機関別断面交通量の変化

瀬戸大橋の開通により、岡山高松間の断面交通量は約3千万人から約5千万人へと約6割の増加を遂げた。観光インパクトのピークを終えた平成元年には、断面交通量は約4万5千人まで低下するが、それでも開通前と比較すれば4割以上の増加であり、さらにその後は緩やかな増加傾向にある。岡山高松間の断面交通量は、大きく底上げされたことが明らかである。

交通機関別の交通量に着目すると、開通直後の昭和63年においてのみ、乗用車の割合が大きい。マイカーによる観光インパクトの結果であると考えられる。

 

 

 

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