日本財団 図書館


2. 交通・生活、観光分野における今後の取り組みのあり方と課題

明石海峡大橋は、関連各地域の交流を増大させ、各地域の活性化を図る上で、極めて大きなポテンシャルを有する巨大な社会基盤であり、また、交通・観光産業関係者にとっても、これを有効に活用することで新たなビジネスチャンスを創出しうるものでもある。このような観点から、交通・生活分野及び観光分野において、今後、関係機関や交通・観光事業者等が検討すべき取り組みのあり方、その課題について整理する。

 

(1) 交通・生活分野における今後のあり方と課題

1] 交流の拡大に向けた基幹交通機能の一層の向上

明石海峡大橋を活用した都市間を結ぶ基幹交通機能の一層の向上により、本州・淡路・四国をつなぐ交流を拡大していくことがもとめられる。そのためには、高速バスを中心としたネットワークの充実と、関連サービスの充実がもとめられる。

a) 明石海峡大橋を経由するバスネットワークの一層の充実

明石海峡大橋の開通以後、高速バスの路線は拡大してきており、それが利用者を拡大するという好循環ができている。平成12年3月にも徳島―関西国際空港間、阿波池田―大阪間の路線が運行開始されるなどの動きもある。今後は、このような利用者のニーズに対応した既存路線の増設や新規路線の新設等により、高速バスネットワークをさらに充実していくことがもとめられる。

b) 高速バスにおける利用者サービスの充実

上記のようなバスネットワークの充実と合わせて、バス利用者に対するサービスの充実も図っていく必要がある。特に、利用の拡大・定着を図るという視点から、通勤・通学者向けサービスの充実を図ることがもとめられる。

アンケートによれば、通勤、通学時に高速バスを利用している人は、定期券や回数券を購入しているが、回数券購入者は、乗車時間や乗車場所に合わせて柔軟に対応するために、定期券ではなく回数券を利用しているようである。また、各社が共通して利用できる乗車券への要望も高い。

今後、通勤・通学利用者が増加してくるものと見込まれるため、各社協力のもと、これらの利用者に対するサービス面の充実(定期券の割引率拡大や共通乗車券導入等)を図っていくことが望まれる。

2] 交通結節機能の強化

公共交通機関の利用拡大、ネットワーク全体としての利便性向上を進めるためには、ターミナルの機能強化等の交通結節機能の改善がもとめられる。

a) パーク&バスライド施設の充実

今後、高速バスネットワークの拡大と合わせ、特に高速道路沿いにおけるパーク&バスライド施策を進めていくことが重要である。

既に進められているパーク&バスライドを、今後一層定着させるためには、高速道路沿いに駐車場施設が充実していることが必要であり、引き続きこれらの施設整備を推進することが重要である。

また、これに加えて、料金や管理の方法など、その適切なあり方についても留意していく必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION