大気清浄化法(Clean Air Act―CAA)、水質清浄化法(Clean Water Act―CWA)、および安全な飲料水に関する法律(Safe Drinking Water Act―SDWA)のいずれもメタノールの監視を義務付けていない。このため、大気や水中におけるメタノールの発生に関する国の監視データおよび情報は入手できない(Zogorski その他、1997年)。
メタノールの漏洩と発生に関する限られたデータのなかで、この報告書では3つのメタノール漏洩シナリオをもとに、土壌と水中のメタノールの消滅と移動を評価する。3つのシナリオは以下のとおり:
シナリオ1:タンクローリーあるいは鉄道車両からの漏洩
現在米国に輸入されるメタノールの大半はカナダから鉄道車両により運ばれている。鉄道車両やタンクローリーからの漏洩は砂漠、海岸、あるいは飲料水の水源の近くといったさまざまな場面で起こりうる。1台のタンク車両は34,500ガロンのメタノールを漏出する可能性がある(Perryその他、1984年)。約1,400のトラックの積み荷が毎年カルフォルニアの中で配送されている(CEC、1994年)。
シナリオ2:艀船からの拡散
米国は艀や船舶を使い海外からメタノールを輸入しているため、海洋や河川での漏洩の可能性がある。普通1隻の船舶は45,000トン(13.6百万ガロン)の製品を運び、1999年には96,000トンの(29.1百万ガロン)の船舶が、メタノール輸送用に導入される予定である。