日本財団 図書館


燃料電池の燃料としてのメタノール

 

メタノールをべースとした燃料への転換は、既に存在しているガソリン・インフラをもうひとつ作るという大きな投資を必要とするだろう。業界がそのような投資のリスクをとるために、メタノール燃料電池自動車は、既存の燃料および代替自動車の技術より優れた利点があるということを実証する必要がある。

メタノールの主要な使い道

天然ガスから作られた酸化液体製品であるメタノールは、燃料電池自動車のための燃料の有力候補のひとつである。現在、メタノールは主に化学原料およびガソリンからの排出のレベルを減らす高オクタンの酸化物であるメチル第3ブチル・エーテル(MTBE)の生産のために使われている。

メタノールを代替輸送燃料として使用する過去の試みは、改良ガソリンと比較した場合のメタノールの1マイル当たりの高いコスト、限られた利用可能性および限界的な排出の利点のため、部分的に成功したに過ぎなかった。現在1日当たり約200バレル相当のメタノールが米国において輸送燃料として使用されているが、これは輸送燃料の全消費量の1%以下という量にすぎない。

図7.1

097-1.gif

メタノール生産は道路輸送燃料のための現在の需要の1%以下に過ぎない。メタノール燃料電池自動車が市場にもっと普及した場合、大きな追加生産能力が必要とされるだろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION