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メタノール燃料改質器

蒸気改質は燃料電池自動車でのメタノールの転換のための最有力のデザインである。メタノールの独特の化学的構造が約摂氏250度の温度で水素を生産することを可能にする。この比較的低い温度で、蒸気改質器からの主要生産物は水素、二酸化炭素および微量の一酸化炭素である。一酸化炭素は改質器の出口にある優先的酸化(PROX)反応器により除去される。

長所

低温メタノール蒸気改質器は3つの主要な改質器のデザインのうち最も簡単であり、燃料電池スタックヘ行く前にわずか2つの反応段階があるにすぎない。燃料電池スタックと同程度の温度で稼動することにより、メタノール改質器システムは余剰熱を取り除くための追加装置をほとんど必要としない。もうひとつの長所は低温稼動により窒素酸化物の排出がほぼゼロであり、環境のスモッグヘ貢献する。

メタノール・システムの短所のいくつかは追加的な部品や、さらなる製品の開発が必要になるとみられるものの、その最も簡単な形状により、メタノール蒸気改質器は最低のコストおよび最小サイズのエンジンのための可能性を提供している。

図5.2

燃料改質器の相対的な長所

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自動車のためのガソリンとメタノール・システムの両方が相対的な長所と短所を提供する。ガソリン反応器は最大の燃料の柔軟性、最短の始動時間および最長の自動車走行距離を提供する。メタノール蒸気改質器はより簡単な改質器のデザイン、容易な熱の統合が可能で、ガソリン・システムより開発が進んでいる。

 

 

 

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