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燃料電池自動車のための燃料の選択

 

米国石油協会

 

要約

自動車ユーザーは、素晴らしく環境に貢献する新しい自動車を購入する機会をまもなく手にすることができる。自動車メーカーは一連の新しいエンジン技術の開発競争を繰り広げている。最も革命日なもののひとつが燃料電池であり、これは高い性能、ゼロに近い排出ガス、および現在の内燃エンジンの2倍近い燃料経済性を約束している。

最初の燃料電池自動車は2005年までに生産される見通しである。この新しい自動車のための燃料の選択は非常に重要な決断であり、自動車メーカーは来年あたりにこの決断を行なうであろう。自動車の性能だけでなく燃料補給の相対的容易さおよび柔軟性に影響するこの選択に、消費者の好みが大きな役割を果たすと思われる。

いくつかの燃料が燃料電池自動車のためのオプションと考えられているにもかかわらず、有力候補は水素、メタノールおよびガソリンである。今、正しい選択をすることが自動車およびエネルギー業界にとって重要であり、これは消費者にとっても同様である。

情報に基づく選択をするために、以下の考慮すべき事項がよく理解され、意思決定のプロセスに含まれるべきである。

▼燃料電池自動車は他の先進自動車技術と競争しなければならない。燃料電池自動車はいくつかの先進自動車技術の中のひとつに過ぎない。そしてこのため、燃料電池自動車は性能と価格の両面において競争力がある必要がある。比較は現在の自動車との間だけでなく、未来の自動車との間でも行われる必要がある。

▼自動車と燃料の使用は一緒に考慮される必要がある。一般的に、燃料電池に最適な燃料は、生産し配送することが最も困難で割高である。この相反する関係を消費者は念頭におく必要がある。

▼すべての新しい燃料の安全性、健康および環境問題が注意深く評価される必要がある。輸送燃料としてのメタノールの使用は、安全な取り扱いに対する責任を企業の管理者から一般大衆にまで広げる。地下水汚染に関するメタノールの影響および事故による摂取の潜在的可能性が十分理解されなければならない。あらゆる健康および環境への懸念を和らげるために、防止策が開発され設定される必要があるだろう。

 

 

 

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