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水素燃料は安全でないという評判がある。しかしながら、すべての燃料は本質的に危険を伴うものである。─人は自分の車を運転中に、ガソリンの潜在的な危険性をどれほど考慮するだろうか。適切な製造、教育および常識がすべての潜在的な爆発状況の中のリスクを減らす。水素自動車とその支援インフラは、既存のガソリン・システムと同じ程度に安全に作ることができる。我々のエネルギー経済の中に水素を広く成功裏に導入するために、安全性の概念と現実に対し、うまく対応することが重要であろう。

情報源

HyWeb http://www.HyWeb.de

Hydrogen InfoNethttp://www.eren.doe.gov/hydrogen/infonet.html

The New Sunshine Program http://www.aist.go.jp/nss/text/wenet.htm

C.E.Thomas.

Hydrogen Vehicle Safety Report. National Technical Information Service.

U.S.Department of Commerce. Springfield, Virginia.July 1997

「あなたの船をロケット燃料で塗装するな」

1937年5月6日の午後7時30分、ヒンデンブルグ飛行船はニュージャージーのレークハースト飛行場に着陸しようとした時、火災と爆発で破壊された。62名の乗客が助かり、35名が死亡した。ヒンデンブルグ号は雷の中を着陸地点へと接近していた。地上の目撃者によると、飛行船がその着陸地点を通過して旋回を始めたそのすぐ後に、飛行船は強く電気を帯びていた外気の中に水素を排出し始めた。いくつかの要素が絡み合い、飛行船のあちこちに強いコロナ放電を生じさせた。事実、火災が発生する前に、悲運のヒンデンブルグ号の頂上に電気反応の青い閃光を見たという目撃者のレポートがあり、これはコロナ放電の典型的な、極端な高温を示している。乗員が飛行船をコースに戻そうと試みた時、それはバランスを失い後部が地面に接触、船尾は爆発し炎に包まれた。飛行船が爆発するのではと恐れた乗客が飛び降り、死亡した。火傷とその他の傷はディーゼル燃料の火災の結果であり、水素に起因するものではなかった。飛行船が着陸するのを待っていた乗客の多くは歩いて安全に事故現場から逃れた。

 

 

 

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